廃棄物学会誌
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16 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 八木 美雄
    2005 年 16 巻 4 号 p. 183-184
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 坂本 峰至, 赤木 洋勝
    2005 年 16 巻 4 号 p. 185-190
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    水銀はその物理的, 化学的性質に由来する優れた有用な特性を有することから, 古くから人類によって繁用されてきた金属である。しかしながら, 一方で水銀は生物に対して強い毒性を持つために, 水銀の各種化合物による中毒も古くから知られている。水銀およびその化合物は, 主に金属水銀 (Hg0) , 無機水銀 (Hg2+) , メチル水銀 (CH3-Hg+) の形態で存在し, その化学形態により生体内動態や毒性が異なる。特に, メチル水銀は自然界で無機水銀から生成され, 環境中に広く分布する神経毒物である。水俣病の原因物質としてよく知られるように, メチル水銀は生物濃縮性が高く, 主として魚介類の摂取を介して人体へ取り込まれ, 中枢神経, 特に胎児への影響が強く現れる。本論文は, 水銀およびその化合物, 特に, メチル水銀の生体内動態と毒性および最近のメチル水銀研究についての知見を概説する。
  • 貴田 晶子, 酒井 伸一
    2005 年 16 巻 4 号 p. 191-203
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    水銀の大気排出量に関して, 世界, アメリカおよびイギリスのインベントリーを概説し, 日本における水銀の排出量の推定を行った。すべてではないが, 主要な熱処理過程について排出係数と活動量を求めた。ラフな推定値として年間19~35tonを得た。一般に石炭燃焼および一般廃棄物燃焼が主な水銀の発生源とされるが, 日本ではそれぞれ, 年間0.6~1.5tonおよび0.3~1.8tonで寄与は大きくないと考えられる。それは石炭および一般廃棄物中の水銀濃度が欧米に比べ低いことが主な原因である。主な発生源としては医療廃棄物10~20tonがあげられる。下水汚泥焼却, セメント製造, シュレッダーダスト焼却などは石炭燃焼および一般廃棄物焼却からの発生量とほぼ同等であると考えられる。人口に対する排出量は0.15~0.28g/人/年であり, イギリスの0.15g/人/年, アメリカの0.56g/人/年の中間の値であった。ただし, この推定は予備的なものであり, 報告例の少ないカテゴリーの排出係数を求めるために実測値が必要である。日本の特殊性として, 産業廃棄物の燃焼が多いこと, 鉄鋼や非鉄金属精錬への廃棄物の有効利用が増加していることから, リサイクルの促進とともに, 大気環境への排出量に対する配慮が必要と考えられる。
  • 守富 寛
    2005 年 16 巻 4 号 p. 204-212
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本稿では, 石炭火力発電施設からの水銀排出量, プロセス内の水銀挙動および対策技術の動向について概説する。欧米諸国では石炭火力発電施設に対する煤塵, 硫黄酸化物, 窒素酸化物に加えて, 水銀とPM2.5の将来規制についての議論が活発化している。わが国では煤塵, 硫黄酸化物, 窒素酸化物に対する排ガス処理装置の普及が火力発電施設からの水銀排出量を抑制している。石炭の水銀は, 元素水銀, 酸化水銀, および粒子状水銀に分けられ, それぞれ灰中未燃炭素による吸着, 排ガス中塩素による酸化, 冷却過程で灰への凝集付着と密接に関係する。燃焼プロセス内での水銀は高温場および触媒脱硝装置により酸化され, 水可溶性の酸化水銀となり, 湿式脱硫装置により水処理系に回収される。電気集塵機により灰付着あるいは未燃炭素に吸着された粒子状水銀が回収され, さらに回収率を上げるためには活性炭吹き込みによる捕捉が有効となる。
  • 高岡 昌輝
    2005 年 16 巻 4 号 p. 213-222
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    地球規模での水銀サイクルにおいて人為的発生源は重要である。その中でも都市ごみ焼却, 産業廃棄物焼却, 医療系廃棄物焼却などの廃棄物燃焼および石炭燃焼などの燃焼発生源からの排出は極めて大きいと推定されている。廃棄物焼却からの水銀排出を抑制するためには, 廃棄物への流入を抑制するだけでなく, 高度な排ガス処理技術が必要である。本論においては, 廃棄物焼却過程における水銀の挙動についてレビューした後に, 廃棄物焼却施設において用いられてきた排ガス処理技術およびそれに関する研究について概観し, 最後に今後の廃棄物処理過程における水銀に関する課題について述べる。
  • 浅利 美鈴, 福井 和樹, 酒井 伸一, 高月 紘
    2005 年 16 巻 4 号 p. 223-235
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    水銀を含む蛍光管を取り上げ, 日本における水銀の物質フロー解析により, 有害物質を含む家庭製品の循環システム構築の方向性を検討した。水銀の物質フロー解析より, 製品由来の水銀は年間10~20ton流通しており, うち5tonが蛍光管由来であること, 回収される水銀は0.6tonのみで大半が廃棄物として処理・処分されていること, 原料段階では100ton以上のレベルで流通しており, 年次的に変化が大きいことがわかった。また, 蛍光管の循環・廃棄フロー推定より, 現在は水銀フロー量として, 最終的には焼却と埋立への負荷が大きく, リサイクル量は小さいと考えられた。水銀を含む蛍光管を使用する限りは究極的には蛍光管の全量リサイクルが望ましいが, そのためには, 回収への高い参加率や閉鎖系での再生品利用までを考慮に入れた循環システムを実現する必要があり, 情報周知や回収システムの検討に加え, 何らかの規制策や新たな技術およびビジネスモデルの創出を検討すべきと考えられた。
  • 2005 年 16 巻 4 号 p. 236-237
    発行日: 2005/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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