廃棄物学会誌
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5 巻, 5 号
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  • 阿部 泰隆
    1994 年 5 巻 5 号 p. 373-374
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • ―行政的対応の実態と今後の課題―
    北村 喜宣
    1994 年 5 巻 5 号 p. 375-381
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    廃棄物処理法によれば, 産業廃棄物の不法投棄に起因する土壌汚染に関して, それが「生活環境の保全上支障 (のおそれ) 」を生ずる場合には, 措置命令を発動して, 浄化や除去などを求めることができる。国レベルでは, 権限発動基準について統一的な見解は出されていないが, 多くの自治体では, 最近設定された土壌環境基準を利用する方針である。しかし, 環境基準不適合をもって前記要件を満たしたといえるかどうか, 投棄者にすでに汚染されていたかもしれない土地の浄化責任をすべて負わせるのが妥当かなど, 具体的ケースにおいては, 検討すべき課題が多い。不法投棄物件とそれから波及的に生ずる土壌汚染・地下水汚染とは, 異なった条文上の対応が必要ではないか。また, 土壌汚染については, 廃棄物処理法など個別法の法益の範囲で対応するのではなく, 原因行為の態様の如何にかかわらず, 一般的な土壌汚染防止法規での対応も検討されるべきではないだろうか。
  • 大塚 直
    1994 年 5 巻 5 号 p. 382-393
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今日, 市街地の土壌汚染の浄化は極めて重要な課題となっているが, わが国では, 土壌に関する環境基準は定められたものの, 未だ法律は制定されておらず, その導入が急務となっている。導入にあたっては, 浄化の発動基準, 費用負担 (または事業の実施) の主体 (土地所有者を含むか) , 無過失責任・遡及責任・連帯責任主義をとるかなどが問題となる。従来の関連法制度やアメリカのスーパファンド法に関する経験を参考にしつつ検討すると, 発動基準については, 公共に対する危険という観点から民法上の受忍限度よりは広い範囲の救済を可能にし, 土地所有者については, 汚染者の不明・不在・無資力の場合にのみ補充的責任を課することとし, 無過失責任および遡及責任は認めるが, 連帯責任については, 汚染者間に特に関連性のない通常の場合には, これを否定し, 同一の汚染を発生させた処分者・処分委託者・運搬者のように, 密接な関係がある場合に限って肯定することが望ましいと考える。
  • ―土壌保全法案の制定作業とその概要―
    高橋 滋
    1994 年 5 巻 5 号 p. 394-406
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    土壌汚染が深刻な問題となっているドイツでは, 連邦の廃棄物処理法や水管理法, 各邦の警察・秩序法等を通じて土壌汚染対策が進められている。しかしながら, これらの制度は土壌汚染防止の制度としては不十分であること, 各邦の制度に不備・不統一がみられること, 複数の理論的問題が未解決なこと等により, 連邦法である土壌保全法の制定を要請する声が強い。連邦環境省は1992年に同法の制定準備に着手し, 1994年6月現在, 同年2月作成の草案が各省庁間の協議に委ねられている。同草案の内容は, 土壌汚染防止制度の確立, 汚染調査・浄化制度の統一, 費用負担問題の立法的解決等の点で大きな意義を有するものであり, わが国における市街地土壌汚染対策制度に対して参考となる点は多い。
  • 畠山 毅一郎
    1994 年 5 巻 5 号 p. 407-417
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1980年に制定された, 有害物質による汚染 (主として土壌汚染) の浄化を規定する法律として世界で最も厳しいといわれる米国のスーパーファンド法は, 1986年の改正を経て現在に至っているが, 浄化にあたりその基金を使用する権限が1994年9月30日をもって切れる。
    同法は過去に汚染されたサイトの浄化を主たる目的としているため, 浄化責任分担に関する訴訟が多発し, 浄化関連費用の高騰の大きな一因となっている。さらには, 浄化プロセスが複雑であることや, 浄化基準が暖昧であることなどから, 莫大な費用が掛けられているにも関わらず, 同法の成果はほとんど挙がっていない。こうした状況を受けて, 1994年2月にクリントン政権がその改正法案を議会に提出した。
    本稿では, スーパーファンド法の概要を簡単に解説し, これまでの浄化実績などをもとに効率が上がらない背景を説明する。また, 同法の政府改正法案原案の概略を紹介する。
    *なお, 上記法案は, 本稿校正中の1994年10月8日の第103議会閉会をもって廃案となった。11月8日の米国中間選挙で共和党が勝ったことにより, スーパーファンド法改正の今後の動向が注目される。ただ, 現時点でスーパーファンド法改正に対する米国環境保護庁 (EPA) の基本的姿勢を知っておくことは重要であると考える。
  • 植木 哲, 木村 俊郎
    1994 年 5 巻 5 号 p. 418-426
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    土壌汚染の浄化措置にかかわる費用に関して, 環境基本法37条および公害防止事業者負担法4条は, 汚染者負担の原則を規定している。この汚染者負担は, 負担総額の減額措置により, 基本的に公用負担としての性質を帯びている。浄化措置執行者としての国または地方公共団体は実施費用を負担事業者へ償還請求することになる。しかし, この償還請求に関連して, 若干の問題がある。
    本稿は, 土壌汚染の完全な浄化を目指して, 浄化措置費用の償還問題を検討する。検討方法は, 一方で, わが国の浄化措置にかかわる償還問題の現状を明らかにし, 他方で, アメリカのCERCLA法が規定する, 浄化措置費用の償還の仕組みや, 償還できる浄化措置費用の範囲などを具体的に検討する。
    最後に, 比較法制研究の観点から, 費用償還のあり方を素材として, 土壌汚染の完全浄化責任のあるべき姿を検討する。
  • ―わかりやすく, 「系」と「環境」の理念から―
    早瀬 光司
    1994 年 5 巻 5 号 p. 427-435
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本小論では, ここ数年のうちに主要な話題に上がってきた環境監査について, 具体的に解かりやすく解説を試みた。
    現在, 環境監査は発展途上にあり, その理念, 方法, 効用などについて, 具体的に明確な一致点や定義が存在するわけではない。このことが環境監査を解かりづらくしている。ただし, 一般的な表現としては「企業などの組織体が, 地球環境を保護するために, その行動をいかに果たしているかの実態を, 系統的に評価, 公表, 改善するための手法である」といえる。
    まず, 環境監査のこれまでと現状を簡単に述べた後, 「系」と「環境」の理念を提示した。次に, 「系」と「環境」との関係として, 導入部, 加工・生産部, 送出部の各区分の重要性を示した。さらに, 「系」=「社会システム」と「環境」との間でやりとりされる項目を綿密に記帳する物質とエネルギーの収支計算書, すなわち, 環境収支簿記を提案した。最後に具体例として, スイスの製造企業と東京にある企業の事務所を取り上げ, 環境収支簿記を例示し, その解かりやすさ, 地球環境保全への有効性, 実効性を示した。
  • ―環境監査制度についての一検討―
    浅野 直人
    1994 年 5 巻 5 号 p. 436-440
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    環境基本法は, 「環境負荷の低減」を新たな環境政策のキーワードの一つとしたが, その実現のためには, 従来の規制手法のみならず, 当事者の自主的協力が必要である。このうち事業者についてはこれまで公害防止管理者制度や事業アセスメントなどのシステムがこれを支援してきた。しかし, 事業活動に伴う汚染物質排出削減だけでなく, 原料の採取・使用や原料・製品の輸送, さらには製品使用や廃棄の各段階での負荷の低減が求められるところであり, 各段階での環境負荷の予測や総合的な管理を事業者に自発的に行わせるための「環境監査」制度が注目されつつある。ただし, このシステムの日本での導入を促進するためには, 性急な法制化の論議よりも, 監査における評価基準の検討など, その導入と適切な実施のための条件整備に関する研究や論議を進めることが必要である。
  • 高月 紘
    1994 年 5 巻 5 号 p. 441-448
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    今から11年前に起きたあるごみ焼却炉の集じん灰バンカーにおける爆発事故をめぐる裁判がやっと終了した。この事故では, 職員が半身不随の重傷を負ったが, その爆発原因はどうやら集じん灰から発生した水素ガスによるものと判明した。集じん灰中の金属アルミニウムとアルカリ剤と水との混合によって発生する水素ガスは条件によっては充分爆発限界内に入ること, また集じん灰が湿ると酸素を急速に消費し, 酸欠事故につながる心配があることが今回の事故から得た教訓である。ごみ焼却炉の集じん灰は, 特別管理一般廃棄物に指定され、その貯留, 保管の体制が厳しくなったが, その際, 集じん灰のもっ上記のような性質には充分注意を払う必要がある。
  • 牛久保 明邦, 田口 計介, 桐山 光市
    1994 年 5 巻 5 号 p. 449-453
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    食品製造業から発生する排水処理汚泥の再資源化の現状を把握し, 今後の再資源化の方向性を見い出すことを目的として, アンケート調査を実施した。
    排水処理汚泥の発生量が0~200t/年である事業場が最も多く, ビール製造業, その他畜産食料品製造業, その他動植物油脂製造業において発生量が多い。現行の汚泥処理方法では, 処理業者委託が最も多く, 汚泥発生量の少ない精穀・製粉業や季節操業である上に濃厚排水を排出するでん粉製造業では, 発生汚泥のすべてを処理業者に委託処理ている。逆に, ビール製造業, 味噌製造業等では処理業者委託よりも再資源化の比率が高く, その用途は堆肥化, 飼料化および乾燥肥料化である。将来処理業者委託処分を中止しようとする事業場では, 乾燥・焼却処理および乾燥肥料化処理の採用を希望するところが多い。
  • 阿部 英和
    1994 年 5 巻 5 号 p. 454-456
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 1994 年 5 巻 5 号 p. 457-459
    発行日: 1994/11/30
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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