高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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25 巻, 4 号
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クロストーク
原著
  • 大山 秀樹
    2005 年 25 巻 4 号 p. 297-305
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/03/01
    ジャーナル フリー
    ピラセタムは脳血管障害後の失語症に対し急性期に言語療法と併用することにより効果があり, 現在欧米では広く使われている医薬品である。
    しかし発症から3年以上を経過した慢性期失語症に対しては現在のところ言語療法も含め有効な治療法はないとされている。今回このような慢性期失語症患者に対しピラセタムを投与したところ, ある程度の回復が認められた症例を経験したので報告する。
  • 砂原 伸行, 能登谷 晶子
    2005 年 25 巻 4 号 p. 306-313
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/03/01
    ジャーナル フリー
    右半球損傷後の左半側空間無視36例に対し, 聴覚課題として音の方向感検査 (リオン製AA-75) を実施し, その検査成績と半側空間無視の重症度, すなわち視覚課題での障害の重症度との関係を検討した。音の方向感検査では左右の時間差音像移動弁別閾値を測定したうえで, 右の閾値を基準とした場合の左の閾値の増大率 (閾値の左右比) を算出し, 検査での障害の重症度とした。この左右比とBIT行動性無視検査結果との関連を調べた。その結果, 閾値の左右比とBIT通常検査合計点および行動検査合計点のいずれとの間にも有意な相関はなかった。以上より, 半側空間無視例では聴覚課題と視覚課題での障害の重症度は必ずしも一致しないことがわかった。この事実は与えられる感覚モダリティの違いにより, その障害の程度が異なるUSN例が存在するという, 臨床上の印象を裏付けるものと考えられた。
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