応用統計学
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35 巻, 2 号
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  • 黒田 健成, 宮川 雅巳, 田中 研太郎
    2006 年 35 巻 2 号 p. 79-91
    発行日: 2006/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    変数間の因果関係が因果ダイアグラムと構造方程式モデルで表現される状況で,ダイアグラムの矢線へ介入する行為を考え,その効果を定式化する.この定式化は条件付き介入の枠組みにおいて記述される.矢線への介入効果に対する識別可能条件についても考察した。線形構造方程式モデルのもとで,興味ある特性変数の分散が,これへの有向道上の矢線を介入することで,どのように変化するかを具体的に求めた.矢線への介入は,直接介入しにくい変数である中間特性を制御するうえで有用である.適用例を通して,これらの定式化の有用性を主張した.
  • 平井 安久, 中村 忠
    2006 年 35 巻 2 号 p. 93-111
    発行日: 2006/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    1970年代においては,大きな標本数に対する離散型確率分布関数の値の計算は,その表現が簡明であるにもかかわらず,巨大数・微小数の出現と計算時間がかかるという2つの理由により,計算機上での直接計算が困難であった.この欠点を補う方法として,確率分布の近似法と多倍長技法による厳密な計算法が知られている.しかしながら,この2つの方法はそれぞれ固有の欠点を持つ.これらの欠点を避けるため,多倍長技法よりも大きな数値表現が可能な新たな算法をもつ数空間を理論的に構成した.この算法のパーソナルコンピュータ上への実装を目的とした算術アルゴリズムを提案し,それをC言語で実装した.この算術アルゴリズムは数値計算を必要とするあらゆる分野へ応用可能である.本論では,多くの近似法が利用されている2項分布に対して,提案した算術アルゴリズムを適用して,種々の2項確率の計算アルゴリズムを考案した.さらに,それらのアルゴリズムに対して数値実験を行い,精度や計算時間等を考慮して,一番よいものを2項確率の計算アルゴリズムとして提案した.これにより,非常に広範囲な標本数に対して近似法を用いなくても2項確率が計算可能となった.
  • 原資産収益率がMertonのJump-Diffusionモデルに従う場合
    佐々木 豊史, 宮崎 浩一, 野村 哲史
    2006 年 35 巻 2 号 p. 113-128
    発行日: 2006/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,ヨーロピアン・コール・オプションの評価において,次の2つの問題にアプローチするものである.第一の問題は,原資産収益率プロセスが生成する確率分布として正規分布以外の分布を採用した場合に,その確率分布を仮定したオプション価格を,正規分布と高次キュムラント(3次,4次)を用いた確率分布を仮定したオプション価格によってどの程度近似できるか?第二の問題は,ジャンプ成分を含む原資産収益率プロセスが生成する確率分布(MertonのJump-Diffusionモデル,以下MJDモデル)に基づくオプション評価においてどの程度の強さで中心極限定理が働くか?について高次キュムラントの観点から考察することである.
    第一の問題に対しては,MJDモデルが生成する確率分布を,4次までのキュムラントを用いたEdgeworth展開によるオプション評価近似式を導いたうえで,正確なオプション価格との比較を数値実験によって試みる.第二の問題に対しては,MJDモデルによる一日の原資産収益率を表す確率分布をN回畳み込んだ確率分布がN日の原資産収益率の確率分布であることに着目して,オプションの残存期間Nが大きくなるに従って中心極限定理が働き,MJDモデルによるオプション価格がBS価格に近づくスピードを数値実験により確認する.また,このオプション価格の収束において3次,4次のキュムラントの影響がどの程度であるかも合わせて検討する。
    数値実験結果からは,本オプション近似評価モデルの精度は,オプション満期がごく短い場合を除いて相応に高いこと,また,オプション評価において中心極限定理が働くものの,オプションの満期が100日以下の場合には,高次キュムラントの影響を無視することはできないことがわかった.
  • 渋谷 政昭
    2006 年 35 巻 2 号 p. 129
    発行日: 2006/12/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
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