水環境学会誌
Online ISSN : 1881-3690
Print ISSN : 0916-8958
ISSN-L : 0916-8958
39 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
研究論文
  • 赤松 良久, 宮良 工, 神谷 大介
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 39 巻 2 号 p. 29-37
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/10
    ジャーナル フリー
    本研究では生態系内のエクセルギー (有効エネルギー) 効率に着目した河川生態環境評価法を提案した。本評価法では河川生態系内のエネルギーフローに着目し, 系内のエネルギー効率を高める (エントロピーを最小化する) ことが生態系の健全性の尺度になると考え, エネルギーの質と量を考慮したエクセルギー効率を河川生態環境評価指標とした。本手法を沖縄本島の複数の小河川に適用したところ, エクセルギー効率によって上流にダムを有する河川, 都市河川, 自然河川ではエクセルギー効率には明確な違いがあることが明らかとなった。また, 水質・生物環境からはその違いが明確でない自然河川の中の異なる3区間の生態系の健全性の違いを定量的に評価できる可能性が示された。
ノート
  • 浦野 紘平, 太宰 久美子, 加藤 研太, 浦野 真弥
    原稿種別: ノート
    2016 年 39 巻 2 号 p. 39-42
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/10
    ジャーナル フリー
    国立環境研究所が総排水毒性 (WET) 管理の方法として, 7~8日間 (3~4回水換え) のニセネコゼミジンコ繁殖試験等を提案しているが, 残留塩素等の影響や対応方法については明確にされていない。西田らや著者らは, この方法に比べて広く普及し, 技術的にも容易で経済的な48時間 (水換えなし) オオミジンコ幼体遊泳阻害試験をWET管理に推奨している。そこで, 塩素消毒前後の工場排水と塩素消毒後に適量のチオ硫酸ナトリウムで残留塩素を消去した工場排水, および参考として次亜塩素酸塩溶液のオオミジンコ幼体遊泳阻害試験を行った。その結果, 排水では0.15 mg L-1以上, 次亜塩素酸塩溶液では0.01~0.02 mg L-1以上の残留塩素で毒性を示し, チオ硫酸ナトリウムで残留塩素を消去した排水の毒性は塩素消毒後の排水より低くなった。したがって, WET管理には, 適量のチオ硫酸ナトリウムで残留塩素を消去した排水について毒性試験を行うのが適当と考えられた。
調査論文
  • 石渡 恭之, 加藤 健, 見島 伊織, 藤田 昌史
    原稿種別: 調査論文
    2016 年 39 巻 2 号 p. 43-50
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/10
    ジャーナル フリー
    ライニング管や硬質塩化ビニル管における懸濁物質の発生源を見出すため, 水中カメラ調査および, ライニング管内に存在する付着物, 無ライニング管内より採取した腐食生成物と, 管内流水中の懸濁物質の組成の調査を行った。ライニング管の水中カメラ調査では管壁への付着物の蓄積や接続部の腐食がみられた。供用後の水道管から得た付着物, 腐食生成物を分析すると, 付着物や, 深さ方向に5箇所分析した腐食生成物のうちの表面部は, Al, Si, Mn, Feのほか多種の元素を含んでいた。一方, 腐食生成物の内部はFeが主成分であった。懸濁物質を3段階の粒径範囲 (~25 μm, 25~97 μm, 97 μm~) ごとに分析すると, 分析対象元素の総濃度は25 μm以下で高く, 懸濁物質はこの粒径範囲に多くの数, 重量が存在すると考えられた。付着物や腐食生成物 (表面) と懸濁物質とでは, 管内流水中へ混入する起源が異なるAl, Feをともに多く含む点などの共通点がみられた。
  • 高橋 威一郎, 高瀬 勝教, 竹下 佳代子, 河野 博幸, 馬見塚 守, 岐津 英明
    原稿種別: 調査論文
    2016 年 39 巻 2 号 p. 51-62
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/10
    ジャーナル フリー
    大分県の芹川ダムにおいて, 平成26年10月に2-メチルイソボルネオール (MIB) が高濃度化し, 本ダムの下流の表流水を水道水源とする大分市では大規模なかび臭障害が発生した。原因はダム湖内でのかび臭物質産生藍藻 (かび臭藍藻) の増殖であり, 遺伝子配列解析及びMIB産生能評価の結果, Pseudanabaena limnetica及びPseudanabaena galeataと推定された。11月中旬のダム湖秋季循環期到来以降, 湖内のかび臭藍藻やMIBは急激に低減し, 微生物群集構造解析の結果, 湖水循環前後での群集構造の変化が認められ, 細菌による生物分解の関与が示唆された。かび臭藍藻は水温が10 ℃以下の低水温環境でも生息し続け, MIB産生能もわずかに有し, 15 ℃以上となると活発な増殖と高いMIB産生能を示した。また, かび臭藍藻の溶藻やMIBの分解等の生物分解の発現にも至適温度があることが示唆された。
feedback
Top