本研究では,食品や腸管常在の乳酸菌および菌体成分存在下におけるマウス由来マクロファージ様株化細胞 J774.1の IL-12産生に及ぼす
Lactobacillus crispatus KT-11株(KT-11)の影響を検討した。J774.1細胞培養上清中の IL-12濃度は,10 μg/mL以上の KT-11の添加によって有意に高くなった。また,乳酸菌やトール様受容体(TLR) 2 のリガンドでの刺激による IL-12の産生は,KT-11の添加によって有意に高くなった。一方,KT-11を添加して培養した J774.1細胞の TLR2 の発現は,KT-11無添加の場合と比較して有意に高かった。以上の結果は,KT-11が J774.1細胞の TLR2 の発現を促すことにより,乳酸菌や TLR2 リガンドによる IL-12産生を促進することを示している。
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