ミルクサイエンス
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学会からの重要なお知らせ
原著論文
  • 戸田 一弥, 原 早紀子, 密山 恵梨, 小田巻 俊孝, 吉本 真, 清水 金忠
    2021 年 70 巻 1 号 p. 3-13
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり

     ビフィズス菌は保健効果に関する臨床報告が多数存在するプロバイオティクスであり,乳製品によく用いられる。本研究では,Bifidobacterium longum subsp. longum BB536の抗老化作用について線虫(Caenorhabditis elegans)を用いて検証した。野生株,遺伝子変異株,パラコート誘導性ミトコンドリア機能障害モデルに対して,BB536の摂取が寿命・ROS蓄積・遺伝子発現に及ぼす影響を評価した。 野生株の線虫において,BB536は通常餌Escherichia coli OP50と比較して,強い寿命延長作用や加齢に伴うROS蓄積抑制作用を示した。また,BB536は加齢に伴う運動機能障害やサルコメア構造の破綻を抑制した。さらに,パラコート誘導性ミトコンドリア機能障害モデルにおいても,BB536は過剰なROS蓄積を抑制し,寿命延長作用を示した。一方,加齢した線虫において,BB536は,heat shock protein 70 (HSP70)やsuperoxide dismutase 1 (SOD-1), thioredoxin-1 (trx-1), glutathione S-transferase 4 (gst-4)などの遺伝子発現を増加させ,これら抗酸化関連酵素の働きによってROSの蓄積が抑制されていることが示唆された。興味深い事に,p38 mitogen-activated protein kinase (MAPK)関連シグナル経路の変異体ではBB536の上記活性は消失した。これらの結果から,BB536による抗老化作用が示唆され,その作用機序として哺乳類まで広く保存されているMAPK関連シグナル経路を介したROSストレスに対する保護効果を誘導することと考えられる。

資料
  • 三谷 朋弘, 朝隈 貞樹, 上田 靖子, 内田 健治, 川村 周三, 上田 宏一郎, 秋山 典昭
    2021 年 70 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり

     乳牛に対する飼養条件は乳成分に強く影響する。しかしながら,乳牛の飼養条件の違いが牛乳の味に及ぼす影響については知見が限られる。そこで,本研究では,飼養条件の異なる酪農家および殺菌条件の違いを味認識装置が識別可能かを評価することを目的とした。4戸の酪農家(Farm A, B, and C:放牧飼養,Farm D:舎飼い飼養)から生乳を採取し,生乳を含む4種の殺菌処理(生乳,UHT, HTST-ホモジナイズ,HTST-ノンホモジナイズ)し,16種の牛乳について評価した。この試験を3回実施し,6プローブを装着した味認識装置を用いて計48サンプルの牛乳サンプルの味を評価した。味認識装置による味評価値を用いた判別分析の結果から,それぞれの農家の牛乳は正確に識別可能であった(R2=0.619 and Q2=0.488,正答率=91.7%)。また,殺菌処理間の違い(HTST vs. UHT)も正確に識別可能であった(R2=0.601 and Q2=0.252,正答率=91.7%)。しかし,生乳とHTSTの違い,ホモジナイズの有無の識別は難しかった。

  • 濱岡 直裕, 田中 彰, 中川 良二, 八十川 大輔
    2021 年 70 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり

     著者らは所属機関が保有する乳酸菌368株の中から,クエン酸資化性を有し,かつ一番ジアセチル生成量の高いLactobacillus paracasei #003株を選抜した。選抜した#003株は,10%(w/v)スキムミルク液中にジアセチルを11.43 μg/mLの濃度で産生した。さらに,#003株を添加して製造したクリームチーズ,および発酵バター試作品には,それぞれ1.48,1.30 μg/gのジアセチルが測定された。また,官能評価においてこれらの試作品は,本菌株を添加しない製品に比べ香りが強い結果が得られた。これらの結果から,クリームチーズ,発酵バターともに,それぞれのメインスターターに加え,#003株を補助スターターとすることによりジアセチル含量の高い製品を製造できる可能性が示唆された。国内ではそれぞれの地域で様々な微生物が分離されており,本研究の結果は,地域由来の微生物の特色を生かすことで,香り高い発酵乳製品も製造可能であることを示している。

ショートレビュー
2020年度日本酪農科学会奨励賞受賞記念
  • Ni Putu Desy Aryantini, 福田 健二, 浦島 匡
    2021 年 70 巻 1 号 p. 27-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル 認証あり

     Fermented dairy products have been consumed widely by our society as a part of their daily meal. Nowadays, because of the high awareness of people about health in relation to food consumption, demand on fermented dairy products which are not only affordable, delicious, and fulfil the nutritious requirement, but also beneficial for our health are gaining attention. Traditionally, there are many fermented milk products produced in some area in the world and have been believed to confer beneficial effect to host. However, because the fermentation processes occur naturally, the quality of the products is not always stable. Several studies have been done to isolate and characterize the indigenous starter microorganisms from several traditional dairy products, for example some endogenous lactic acid bacteria from traditional fermented milk or moulds from fermented cheeses. To exhibit functional effect, starter microorganisms should be well proven to show good physiological effects, not only during fermentation but also when they enter host's body. In this review, biochemical studies on probiotic properties of endogenous Lactobacillus rhamnosus strains isolated from fermented Sumbawa mare's milk (FSMM) and also characterization of several non-commercial Penicillium strains as mould-ripened cheeses starter will be discussed.

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