ミルクサイエンス
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原著論文
  • 高木 秀彰, 中野 智木, 青木 孝良, 谷本 守正
    2024 年 73 巻 1 号 p. 3-10
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル 認証あり

     牛乳内のカゼインミセル構造は現代でも未解明である。本研究では主に中性子小角散乱法(SANS)を利用してカゼインミセル構造を調査した。凍結乾燥させた脱脂乳に,様々な割合の D2O/H2O 混合水を加えて乳に戻した試料を使用した。SANS プロファイルと X 線小角散乱(SAXS)実験で得られたプロファイルを比較したところ,SANS と SAXS ではプロファイルの形状が一致しないことが分かった。散乱長密度計算からミセルと乳清は D2O/H2O=40/60でマッチングすることが分かった。SANS と SAXS プロファイルの形状が異なる原因を議論したところ,我々が提唱している水ドメイン内包モデルに周期17.9 nm のチャンネル構造を考慮したモデルが SANS プロファイルをほぼ再現できることが分かった。

  • 高 升, 脇本 彩加, 原田 悠輝, 内藤 豪, 廣田 琴美, 田島 遥希, 石渡 深聖, 高橋 礼実, 井上 雄大, 岡井 里夏, 齋藤 ...
    2024 年 73 巻 1 号 p. 11-20
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/30
    ジャーナル 認証あり

     乳酸菌Latobacillus gasseriおよびLactobacillus paragasseriにはバクテリオシン(ガセリシンA, T, S:GA, GT, GS)生産株が存在し,Lb. gasseri JCM 1017, JCM 1019,およびJCM 5814にも抗菌物質の生産が認められている。本研究では,上記3菌株が生産する抗菌物質のプロテアーゼ感受性試験,熱・pH耐性試験,SDS-PAGE後のin situ抗菌活性試験を行い,既知の3種のガセリシンも含めて,各温度・pH環境下における長期保存性について検討した。その結果,3種の抗菌物質は供試プロテアーゼにより失活し,SDS-PAGE後のin situ抗菌活性測定によりガセリシンと分子量が異なるペプチド(バクテリオシン様抗菌物質:BLIS)であると推定された。また,全BLISは広域なpH安定性と,121℃, 15 minの条件でも活性が残存する耐熱性を有していた。長期保存性試験では,酸性(約pH 3.8),中性に関係なく,37℃保存で全ガセリシン(GAのpH 3.7を除く)とBLISは21週以内に失活したものの,4℃および-20℃下では130週経過後も抗菌活性が検出された。以上より,GA, GT, GS,および3種のBLISは食品保存剤としての高い利用性を有すると考えられた。

総説
2023年度日本酪農科学会賞受賞記念総説
ショートレビュー
酪農科学シンポジウム2023
招待講演
ミルクサイエンスのヘウレーカ
書評
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