整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
62 巻, 3 号
選択された号の論文の56件中51~56を表示しています
  • 中川 剛, 馬渡 太郎, 岡崎 賢, 中川 悟, 外林 晋作, 有村 慎吾, 河野 翔太, 甲斐 裕康, 山下 明人, 中川 晃
    2013 年 62 巻 3 号 p. 636-639
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    今回我々はリウマチ性足趾変形,有痛性胼胝に対しWeil法を用い関節温存手術の成績を検討したので報告する.2010年10月~2012年1月までのリウマチ性足趾変形の症例で6ヶ月以上経過観察できた16症例24足を対象とした.母趾に対する手術は外反母趾矯正骨切り術18足,その他6足であった.外反母趾角は術前平均38.4度から術後平均-0.2度,中足骨間角は術前平均16.9度から術後平均4.2度であった.JSSF hallux scaleでは術前平均21.8から術後平均95.2,JSSF lesser scaleでは術前平均13.8から術後平均93.7と改善を認めた.切除関節形成と比較して,MTP関節の可動域の獲得,足趾の踏み返しが可能となり,胼胝・脱臼の再発が少なく成績は良好であった.
  • 竹内 直英, 前 隆男, 佛坂 俊輔, 佐々木 宏介, 川口 謙一, 塚本 伸章, 上森 知彦, 籾井 健太, 秋穂 俊輔, 野口 康男
    2013 年 62 巻 3 号 p. 640-643
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    【目的】Locking calcaneal plateを用いて治療した踵骨関節内骨折の治療成績と問題点について検討した.【対象と方法】対象は5例5足.男性3例,女性2例で,平均年齢55.8歳,平均観察期間7.4ヶ月(6―12ヶ月)であった.全例joint depression typeであり,Sanders分類では,type IIが4例,type IIIが1例であった.手術は拡大外側アプローチを用いて関節面を整復し,locking calcaneal plateを用いて内固定を行った.術前と最終経過観察時のBöhler角,横径増大度,Preiss角,step off,gap,臨床成績,合併症を検討した.【結果】Böhler角は6.6°→32.4°,横径増大度は124%→101%,Preiss角は22.8°→14°,step offは3.7mm→0mm,gapは2.7mm→1.4mmと改善を認めた.臨床成績は,JSSF scaleが平均84.8点で,Maxfield分類では,excellent 1,very good 4例であった.感染例は認めず,創の遷延治癒を1例に認めた.【考察】Locking calcaneal plate固定により,整復位の獲得・維持と良好な臨床成績が得られた.Locking calcaneal plateはlow profileでかつlocking機構を有するため,踵骨関節内骨折治療において有用な内固定材料であることが示唆された.
  • 中川 剛, 馬渡 太郎, 福士 純一, 中川 悟, 外林 晋作, 有村 慎吾, 河野 翔太, 甲斐 裕康, 山下 明人, 中川 晃
    2013 年 62 巻 3 号 p. 644-647
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    我々は1990年より外反母趾に対して第1中足骨内反を矯正する二平面骨切り術(中川法)を施行してきた.今回,Ring screwとWright LPS plateを併用した中川法の短期治療成績を報告する.2010年12月から2012年1月まで6ヶ月以上経過観察を行った28症例55足を対象とした.外反母趾角は術前平均35.5度から術後平均4.8度と改善を認めた.中足骨間角17.2度から2.6度と改善を認めた.中足骨突出度は術前平均-1.1mm,術後平均-1.2mmと短縮はほとんど認めなかった.JSSF hallux scaleにて評価を行い,術前23.9点から術後97.7点と改善を認めた.Ring screwとWright LPS plateを併用した外反母趾矯正骨切り術は術後成績を向上させた.
  • 池田 倫太郎, 古市 格, 小河 賢司, 井上 拓馬, 久芳 昭一, 川口 耕平, 上野 雅也
    2013 年 62 巻 3 号 p. 648-650
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    【目的】第一中足骨近位骨切り術とSuture anchorを用いた母趾外転筋腱移行術を併用した外反母趾手術の短期治療成績を検討すること.【対象と方法】対象は2011年8月から2012年7月までに当院にて本法を行った4例4足.関節リウマチ(RA)による外反母趾を3例3足含み,外側軟部組織解離や二趾から五趾の処置を症例によって追加した.手術時平均年齢は54.5歳,平均観察期間は5.0か月.術前と最終評価時での日本足の外科学会母趾判定基準(JSSF score),外反母趾角(HVA),第1―2中足骨角(M1―M2角)を検討した.【結果】JSSF scoreは術前平均36.0点が術後平均82.5点,HVAは45.3°が27.5°,M1―M2角は17.8°が7.0°と改善した.【結語】本法による外反母趾手術の短期臨床成績は比較的良好であったが,外反母趾再発も認められた.母趾外転筋腱を内側に移行することにより外反母趾の再発防止効果が期待できると考えられたが,高度外反母趾やRAでは第一MTP関節の温存に限界がある場合があると考えられた.
  • ―体幹ギプスとの比較検討―
    中島 裕貴, 片江 祐二
    2013 年 62 巻 3 号 p. 651-654
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    【はじめに】新小倉病院整形外科では脊椎圧迫骨折に対して,ジュエットコルセットを用いた治療を行っている.そこで体幹ギプスでの治療成績と比較検討を行った.【対象と方法】対象は65歳以上の骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折患者で3ヶ月以上単純X線による評価を行った21例(女性16例,男性5例),平均年齢80.1歳(65―100歳)である.診断はMRIまたは単純X線動態撮影で椎体高差を認めたもので,コルセット装着後,起立,歩行を許可した.骨癒合,局所後彎角,入院期間,合併症を評価した.【結果】骨癒合率は90.5%(19/21例)で,局所後彎角は初診時15.9°,3ヶ月時18.7°であった.入院期間は32.6日であった.合併症は胃潰瘍の増悪と遅発性神経麻痺を1例ずつに認めた.【考察】今結果は過去に報告された体幹ギプスの成績とほぼ同程度の結果が得られた.体幹ギプス困難例や内科的合併症の多い高齢者に,ジュエットコルセットを用いた治療は簡便で代替となりうる治療法と考える.
  • 辻 王成, 浦門 操, 小柳 英一, 篠原 道雄, 久重 雅由, 成尾 政一郎, 成尾 政圀
    2013 年 62 巻 3 号 p. 655-658
    発行日: 2013/09/25
    公開日: 2013/11/26
    ジャーナル フリー
    ビスフォスフォネート(BP)はわが国の骨粗鬆症治療薬として最も使用されている.しかし,骨吸収だけでなく骨形成をも抑制するため,最近,骨代謝回転過剰抑制が注目されている.当院で2010年10月から2012年9月の24か月間に閉経後骨粗鬆症患者(治療開始時の平均年齢72.5歳)に対しBP製剤を使用し,治療開始前と治療開始後に骨代謝マーカー(BAP,TRACP-5b)を経時的に測定した80例(平均観察期間10.0か月)の検討を行った結果,基準値下限未満となる例はBAPではないが,TRACP-5bでは12.5%(10/80例)にみられた.その時期は治療開始後3か月など比較的早期であった.またTRACP-5bが基準値下限未満となる症例は,治療開始前のTRACP-5b値が低い傾向にあった.治療開始時には骨代謝マーカーも参考に適切な治療薬選択を行い,治療開始後も骨代謝マーカーのモニタリングを行い休薬,薬剤の変更の検討を行う必要があると考える.
feedback
Top