【目的】Locking calcaneal plateを用いて治療した踵骨関節内骨折の治療成績と問題点について検討した.【対象と方法】対象は5例5足.男性3例,女性2例で,平均年齢55.8歳,平均観察期間7.4ヶ月(6―12ヶ月)であった.全例joint depression typeであり,Sanders分類では,type IIが4例,type IIIが1例であった.手術は拡大外側アプローチを用いて関節面を整復し,locking calcaneal plateを用いて内固定を行った.術前と最終経過観察時のBöhler角,横径増大度,Preiss角,step off,gap,臨床成績,合併症を検討した.【結果】Böhler角は6.6°→32.4°,横径増大度は124%→101%,Preiss角は22.8°→14°,step offは3.7mm→0mm,gapは2.7mm→1.4mmと改善を認めた.臨床成績は,JSSF scaleが平均84.8点で,Maxfield分類では,excellent 1,very good 4例であった.感染例は認めず,創の遷延治癒を1例に認めた.【考察】Locking calcaneal plate固定により,整復位の獲得・維持と良好な臨床成績が得られた.Locking calcaneal plateはlow profileでかつlocking機構を有するため,踵骨関節内骨折治療において有用な内固定材料であることが示唆された.
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