シャイネスは社会的状況における不安と寡黙を特徴とする特性である。シャイネスは社会不安障害やインターネット中毒とも関連しており,そのメカニズムを明らかにすることは精神疾患の理解と予防につながる。しかし,シャイネスの脳機能的側面からの研究はあまり報告がない。本研究では安静時fMRIデータから得られた脳機能ネットワークとシャイネスの関連を検討した。グラフ理論により脳領域ごとのネットワーク特性(広域効率,局所効率,および媒介中心性)を定量化し,年齢・性別を共変量として重回帰分析を行った。右の島皮質中部において,情報統合の指標となる広域効率とシャイネスが関連しており,シャイな個人ほど右島皮質中部のネットワーク機能が亢進していた。この結果は,シャイネスが内受容感覚の統合の高さと関連していることを示している。