24名の大学生を対象に, オドボール刺激系列を用いて, 無課題下 (12名) と課題下 (12名) での事象関連電位の検討を行った.NlOO, P200, P300, ミスマッチ陰性電位の各成分が, 課題を課した場合と同様に無課題下でも得られた.無課題下のN100は, rare刺激に対する電位がfrequent刺激に対する電位よりも有意に高振幅であった.P200も有意ではないが, 同様の傾向が得られた.これらの結果は, 逸脱刺激 (rare刺激) の自動検出過程を反映したものではないかと考えられた.また, 無課題下でのP300の潜時は, 課題を課した場合のそれに類似していた.頭皮上分布における各成分の左右差は認められず, 姿勢要因 (坐位, 臥位) も各成分の結果に影響しなかった.本結果より, 無課題下においても, P300とそれ以外の成分を総合的に検討することが, 応用生理心理学にとってより有益であることが示唆された.
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