本評論では, アンビュラトリ血圧 (BP) 計測における生物行動的要因が, 心理生理学的視点から評価された.第1に, アンビュラトリBPの妥当性が評価され, 計測誤差とかかわる問題が明確化された.第2に, 行動日誌および体動計測が, BP変動の解釈をどの程度可能にさせるかという観点から評価され, いくつかの短所 (とくに, 行動日誌の反応性を高める性質) が指摘された.第3に, 24時間長期BP変動が, 概日リズムよりは日内変動であると解釈された.第4に, カテゴリー/オプションおよびエピソードが, 長期的であれ短期的であれ, 多様なBP変動を分析するための2種類の概念的枠組みとして提唱され, 典型的研究からのいくつかの例が, 生物行動的要因の影響を強調しながら, これらの参照枠に従って提示された.第5に, BP以外のパラメータを用いた, いくつかの興味深いアンビュラトリ研究が評価され, そして最後に, アンビュラトリ心理生理学の有望性が議論された.
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