生理心理学と精神生理学
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25 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 福田 一彦
    2007 年 25 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 小川 景子, 入戸野 宏, 堀 忠雄
    2007 年 25 巻 1 号 p. 5-15
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    レム睡眠中には, 鮮明で, 奇異・不合理な内容を含み, 情動豊かで印象的な夢見体験が生じる。これに加えて, レム睡眠中にはまるで起きて何かを見ているかのような急速な眼球運動も観察され, 夢との関連が指摘されている。本稿では, レム睡眠中の急速眼球運動と夢見体験との関連を基にこれまで行われてきた夢の科学的検討を報告し, 著者らが行ったレム睡眠中の急速眼球運動に伴う事象関連電位 (event-related brain potential : ERP) の検討を紹介する。この検討により我々は, レム睡眠中の夢における視覚心像の生成過程について考察を行なった。
  • 鈴木 博之
    2007 年 25 巻 1 号 p. 17-34
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    近年の研究は睡眠中にも覚醒時と同様に情報処理が行われていることを示している。本論文は睡眠中の情報処理を1) 入力 : 睡眠中の外部刺激への反応, 2) 処理 : 睡眠中に起こる学習した記憶の固定と向上, 3) 出力 : 夢出現の時間的特性と夢内容の特徴, の観点から概観する。睡眠中は外部の刺激への反応が減少するが, 注意や動機づけといった心理的機能は維持されている。ある種の手続き記憶と宣言的記憶の向上には練習後の睡眠が必要である。夢は朝方に頻繁に起こり, 変化した意味記憶の連合が独特な夢の内容と関連している。睡眠中の情報処理に関する研究の発展は人間の認知機能と心的活動のさらなる理解を提供するであろう。
  • 浅岡 章一, 福田 一彦, 山崎 勝男
    2007 年 25 巻 1 号 p. 35-43
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    日本人の平均睡眠時間はこの40年間で約1時間短くなっている。この傾向は児童・学生においても認められ, 児童・学生の日中における眠気の訴えは成人よりも強いことが明らかにされている。このような睡眠時間短縮に代表される睡眠習慣の悪化は, 児童・学生の様々な問題と関連している。そこで, 本稿では乳幼児期から大学生までの睡眠の発達について概観するとともに, その年代における睡眠習慣の悪化が, 日中の活動に対してどのような悪影響を与えるかについて先行研究の結果を紹介する。さらに児童・学生の睡眠習慣を悪化させる社会的要因についても紹介する。
  • 林 光緒, 堀 忠雄
    2007 年 25 巻 1 号 p. 45-59
    発行日: 2007/04/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    眠気は, 午後に頻繁にみられる現象であり, これがいわゆるパフォーマンスにおける「昼食後の低下」を招いている。近年, 30分以下の短時間仮眠が日中の覚醒水準の維持にポジティブな効果を持つことが明らかにされてきた。これらの仮眠は徐波睡眠を含まないため, 起床直後の睡眠慣性は少ない。カフェインや高照度光, 音楽や洗顔, 自己覚醒法は, 睡眠慣性を低減するとともに, 短時間時間仮眠の効果を高めることが指摘されている。
  • 田中 秀樹, 松下 正輝, 古谷 真樹
    2007 年 25 巻 1 号 p. 61-71
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    本稿では, 高齢者の睡眠と健康, 高齢者の不眠の特徴について概説するとともに, 健康生活の必須条件である快適な睡眠確保に有効な生活指導法を科学的根拠, 地域保健現場での実践例を交えながら紹介する。高齢者に短時間の昼寝と夕方の軽運動による生活指導を4週間を実施した結果, 睡眠の改善, 夕方以降の居眠りの減少が認められ, 夕方以降の覚醒維持が重要であることが実証された。また, 認知・行動的介入により, 睡眠の改善に伴い, 精神健康や身体健康の改善が認められた。高齢者の睡眠健康改善のための認知・行動的介入技法は, 高齢者のQOLやADLの向上にも有効であることが示唆された。
  • 野口 公喜, 中野 紀夫
    2007 年 25 巻 1 号 p. 73-87
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    動物の体には光環境へ適応し行動を調節する仕組みがあり, 生体リズムがその中核を担っている。ヒトの場合, 陽が沈み暗くなる夜間, 深部体温が低下しメラトニンホルモンが分泌されて眠気が高まり活動レベルが低下する。本論文では, 前半で生体リズムの指標である深部体温とメラトニンを取り上げ, 生理現象の日内変動と睡眠との関連について述べる。後半では, 室内生活空間において光環境および寝室環境を機能的に整備することで快適な睡眠覚醒を支援するための具体例を述べる。
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