呼吸反応の胸部–腹部間の関連性と抑制性呼吸に対するこれら呼吸タイプの影響が,実務場面で行われた112の隠匿情報検査(CIT)で調査された。すべてのCIT被検査者の有罪知識は,検査後の捜査活動によって確かめられた。胸部と腹部の呼吸運動から得られた呼吸振幅(RA), 呼吸率(RR), 呼吸速度(RS)が刺激提示後20 s間について1 sごとに計測された。結果は,胸部–腹部RA・RR・RR間の高い正の相関(r>.7)が概ね示された。付け加えて,胸部の抑制性呼吸は,腹部の呼吸よりRAとRSに対して大きな影響を,またRAとRRに対して長い影響をもたらした。これらの結果は,単一チャンネルCIT測定の妥当性を示唆し,CIT時の胸部呼吸測定の優位性を示している。
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