生理心理学と精神生理学
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15 巻, 1 号
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  • 小西 賢三
    1997 年 15 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    16名の被験者に, 刺激問間隔 (SOA) 1300-1700msでTVモニター上に提示される男女の顔写真を見せ, 事象関連電位 (ERPs) を記録した.高親近性の顔として被験者のよく知っている「大学院生」, 「学部生」を, 低親近性の顔として「政治家」, 「TVタレント」のものを用いた.一次元選択課題では, 被験者は男性あるいは女性の写真に対してボタソ押し反応を行ない, 二次元選択課題では, 性別に加えて, ある所属特性をもった人物 (例えば, 男性の政治家) が標的となった.反応時間は一次元選択課題が二次元選択課題より速く, 所属特性弁別に多くの時間がかかったことを示した.N190, P240そしてN320の3ERP成分が, 課題にかかわらず全ての刺激に対して観察された.これに対して, N410成分が二次元選択課題の標的および標的と同性の刺激に対して出現し, 親近性の影響を受けた.これらの成分の時系列的特徴が顔認知モデルとの関連において解釈され, 特にN410と, 顔の意味情報へのアクセスあるいは意味特徴決定との関係が論議された.
  • -これからの生理心理学はどうあるべきか-
    宮内 哲
    1997 年 15 巻 1 号 p. 11-29
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    近年, いくつかの非侵襲的脳機能計測技術が開発あるいは実用化された.fMRI (機能的核磁気共鳴画像), MEG (脳磁波), TRMS (頭部磁気刺激), NIRS (近赤外光脳内血流計測) である.これらの新たな計測方法の測定原理, 長所と短所を, 実際の計測結果例を紹介しながら解説している.このような新たな計測方法の発展に対する現在の日本の生理心理学のあり方に問題を提起し, 本来向かうべき方向について著者の考えを述べた。特に複数の計測方法を統合する事が重要であり, そのための改善策を提起した.
  • 澤田 幸展, 田中 豪一
    1997 年 15 巻 1 号 p. 31-42
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    収縮時相値 (STIs) は, 心臓血管系心理生理学において, ストレス刺激と心臓交感神経活性化とのかかわりに関する研究を可能とさせるが故に, 興味を引いてきた.本評論では, 3種類の典型的なSTIsの利用可能性が, 再評価された.すなわち, 前駆出期 (PEP), 左心室駆出時間 (LVET), および, 電気機械的遅延 (EMS), である・第1に, STIsが定義され, 次いで, 心音図 (旧技法) ないしインピーダンス・カージオグラム (新技法) を用いた, 計測技法が議論された.第2に, 心臓交感活動としてのSTIsの妥当性が問題とされた.第3に, STIsに関する最近の心理生理学的知見が吟味された.とくに, PEPを用いた研究に関し, また, STIsを心臓交感活動と見なす際に生じかねない干渉要因 (前負荷および後負荷) に対し, 注意が向けられた.
  • 宮田 洋
    1997 年 15 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 1997/06/30
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
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