本研究は,SPAに及ぼす電極圧迫の影響と性差を検討する目的で行われた。被験者として,大学生20名(男子10名,女子10名)が用いられた。
電極圧迫によってSPAは以下のような影響を受けた。
(1)SPLは圧迫直後に急激に低下したが,そのの後は変化に乏しく,非圧迫指と比較してSPL値は高くなった。
(2)SPRについては,頻度の減少および二相性波・陽性単相波の陰性単相波化が認められた。また,振幅についても,陽性成分の減少が認められた。
このような結果が得られた主要因として,(1)圧迫による汗口閉鎖,(2)皮膚圧-発汗反射による反射的発汗抑制,(3)圧迫によって2次的に生起する血行障害,が考えられた。
SPAの性差も顕著であり,以下のような結果が得られた。
(1)SPLは,女性に比較して男性の方が高かった。
(2)SPR頻度も男性の方が多く,振幅については,陽性成分に関してのみ,男性の方が大きい傾向が認められた。
これらの結果から,EDAを指標として行う研究において,男女混合の被験者群を構成することは避けられるべきであることが示唆された。
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