この実験で試みたことは, 条件反応をある睡眠段階に依存させ形成することである.被験者たちを2群 (A群とB群) に分け, 第1夜に反応の基準値を指尖脈波 (FP), 心拍 (HR), K複合 (KC) で測定した.分析対象はstage2, stage3+4に限った.1週間後の夜, A群に対してstage2, B群に対しstage3+4 (徐波睡眠) で分化条件づけを行った.その結果, 分化条件づけから1週間後の睡眠時, 被験者のFPとHRに条件づけに対する反応を見いだした.A群の反応はstage2で観察できただけだったが, B群の反応はstage3+4だけでなくstage2にも観察した.条件反応の睡眠段階依存性仮説をA群の結果は支持したが, B群は支持しなかった.
抄録全体を表示