日本看護研究学会雑誌
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16 巻, 3 号
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  • 堀口 雅美, 須永 清
    1993 年 16 巻 3 号 p. 3_11-3_21
    発行日: 1993/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     グルココルチコイド投与,寒冷刺激,不定期摂食による肝臓及び膵臓の酵素活性への影響を7週齢の雌マウスを3群に分けて検討した。 グルココルチコイド投与群ではプレドニソロン1.0μmolを,対照群には生理食塩水0.1mlを投与した。 寒冷刺激群は4±2℃に,対照群は22±2℃で飼育した。 定期摂食群は1日2回9:00-11:00と15:00-17:00に規則的に給餌した。 不定期摂食群は1日目9:00-11:00と15:00-17:00,2日目15:00-17:00と21:00-23:00,3日目9:00-11:00と21:00-23:00,以後は順に繰り返し,日々の摂食時刻を変えて給餌した。
    肝チロシンアミノトランスフェラーゼ活性はグルココルチコイド投与,寒冷刺激, 不定期摂食のいずれの群でも増加した。 膵アミラーゼ活性は3群共に減少した。 膵トリプシノーゲン活性は寒冷刺激,不定期摂食で減少したが,グルココルチコイド投与では変化がなかった。 さらに不定期摂食群では肝グリコーゲン量と血漿アミラーゼ活性は増加したが,腹腔内脂肪重量の減少が見られた。
     以上のことから不定期摂食は寒冷刺激と同様のストレス状態にあるものと考えられる。
  • 横山 美江
    1993 年 16 巻 3 号 p. 3_23-3_31
    発行日: 1993/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     大阪府下に在住する在宅要介護老人の介護者103名に対し,1991年8月から10月にかけて,蓄積的疲労徴候調査(労働意欲の特性を除く),要介護老人の心身の状況,介護状況ならびに福祉サービスの利用状況に関する調査を実施した。同時に,介護者の対照者として専業主婦81名,退職した男性9名の計90名を得た。対照者との比較により介護者の疲労状況を分析し,さらに,それに関連する介護環境要因について検討を加え,以下の知見を得た。
    1. 蓄積的疲労徴候調査の不安徴候を除く全ての特性において介護者の訴え得点は対照者より有意に高く,介護労働が介護者の疲労に影響していることが示唆された。また,全ての年齢で介護者における慢性疲労の訴え得点が有意に高いことから介護労働は慢性疲労に陥りやすく,かつ,介護者の4割以上が60歳以上の高齢者であることから,将来的に介護者自身に健康上の問題が生じる危険が高いことが推察された。
    2. 蓄積的疲労徴候調査の各特性と介護環境要因を重回帰分析を用いて解析し,さらに各特性を身体的負荷,精神的負荷,介護状況から生じる負荷に分類し,検討を加えた。身体的負荷は麻痺の有無や1日の生活状況,副介護者の有無,介護期間で有意な関連が認められた。精神的負荷では要介護老人の精神症状と有意な関連が認められた。さらに,介護状況から生じる負荷は,麻痺の有無や精神症状と有意に関連していた。
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