アルミナ焼結体(純度92%)を用いてマイクロ波加熱及び接合を行った結果,以下の知見を得た.
(1) 直方体空胴共振器のアイリス,プランジャ及びマイクロ波出力を制御して,温度制御が容易(精度±10℃以内)なマイクロ波加熱制御システムを開発した.本システムを用いて,アルミナ焼結体を急速に,しかも局部的に加熱することができた.
(2) 加熱温度,加熱時間,如圧力を適正に選べば,母材を変形させずに,また強度を低下させずに加熱でき,これらの加熱条件はアルミナ焼結体の直接接合条件としても適用し得ることを確認した.
(3) アルミナ焼結体同士の接合強度は接合温度の上昇とともに大きくなり,1750℃以上では母材強度と同程度の接合強度が得られた.
(4) 接合部の境界は判別できず,接合面近傍と母材の組織には大きな差は認められなかった.このことより,マイクロ波接合の場合は,アルミナ粒子を溶融せずに粒界相成分のみを溶融して接合が行われているものと推測される.
(5) 92%アルミナ焼結体の異径の突き合わせ接合,丸棒とチップ,パイプとチップ等の接合が,ソルダなどの中間層を用いずに可能であった.
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