縮閉面の形状を,デザイナの意図や接続条件に対応して滑らかに変化させることにより,曲率変化の滑らかな形状を生成できた.本方法は,従来のCoonsやGregoryの接続では規定できなかった曲面内部の曲率変化を規定できる.また,形状パラメタにより形状を直接規定しているため,不適切な境界条件を検出でき,適切なパラメタの範囲内で形状を自由に制御できる.いくつかの曲面形状について実験を行った結果,次の結論を得た.
(1)中間形状の指定では,その縮閉線の形状パラメタが,両端母線の中間に入っていれば,滑らかな曲面を生成できる.
(2)導線に沿っての境界横断微分値が与えられると,形状パラメタが適切に変化し滑らかな縮閉面が生成できることが,滑らかな対象曲面を生成するための必要条件となる.
(3)導線に沿っての境界横断微分値に加えて,母線上での境界横断微分値を規定すると,
・接線方向を変化して,滑らかな曲面を得ることのできる範囲は大変狭い.
・曲率値の指定は,両端の値の中間に入っていれば,滑らかな曲面を得ることができる.
今後は,各種形状,条件に対する評価(弾性エネルギーとの対応),曲率変化が単調でない母線への拡張,母線形状の空間曲線への拡張を検討する.
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