汎用旋盤での円筒切削に, 加工面基準制御加工法を通用し, 工具-変位計オフセット量x
gと補正制御係数mが, 残留形状誤差率Mに及ぼす影響について検討した. その結果, 補正制御できない特異点が存在することを見いだし, 特異点の除去対策についても検討した.
(1) x
gのMに及ぼす影響
(1) x
g/λ=nでM= (1-m) / (1+m) となる. x
g/λ=n+1/2でM=1となり, 補正制御できない特異点となる。 (n : 正整数)
(2) Mは周期性 (ス) がある.
(2) 特異点の除去対策
(1) x
g2=2・x
g1になるよう, 2台目の変位計を配置することにより, 特異点が除去できる.
(2) 特異点は除去できるが, ピークが, x
g1=λ/3, 2λ/3付近の2箇所に残る. しかし, 残留形状誤差率Mが小さくなることにより全体的に大幅に改善されており, 補正制御が可能である.
(3) セッティング誤差がマイナスの場合, 全体的に右に移動し, 1番目のピークが大きくなり2番目のピークが小さくなる。プラスの場合は, 逆になる.
(4) 残留形状誤差率Mは変位計2台の場合も, 誤差運動周期スの周期性がある.
変位計2台を用いた特異点除去加工実験は, 現在装置の関係で行っておらず, 現在準備中である。しかし, シミュレーションによる補正制御加工後の形状予測が可能であることは, 第3報, 第4報等において十分確認してきたので, シミュレーションと同じ特異点除去加工実験結果が得られる可能性は高い.
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