学際的な感覚で研究しなければならない, あるいは境際分野の研究にこそ独創性がある, とよく言われる.
確かに, 先鋭化/専門分化した各分野の谷間に落ち込んだ所に新しい種, 独創的な掘り出し物が見つかる可能性は高い.しかし, 単に物珍しいだけで終わることも多いのではないか.それを積み重ねれぽ何かが出てくると漠然とした期待を持つことはいたずらに時間とお金を費すことになろう.専門分化した分野ごとの複雑な現象をどのように解決していくかは, それにかかわり合う人たちの知識と経験で問題をいかに合理的に解決し, 目標に早く到達するかにかかっているようである.
組合せとして, 物理/工学の融合領域, 光/機械/電気の融合領域, 加工/計測/評価の融合領域などが考えられるが, 各分野の複雑さの解明に加え, それぞれの分野の境界領域の複雑な問題が新たに発生すると予想され, それらをいかに解明するかが課題であろう.
本稿に挙げた幾つかの例はその一端を説明するつもりで書いてみたが, 十分な表現で述べられていないと思われる.紙面の都合があるとはいえ, 基本的に説明不足の点があろうかと思われる.各専門分野諸氏からのご助言, ご意見が頂けることを心から期待して止まない.
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