(1) TiB
2導電性ファインセラミックスは, ワイヤ放電加工では強度低下が非常に小さい.
(2) 標準タイプTiB
2は, 高いデューティファクタでも強度低下は小さい.クラックが存在しても著しく浅いため, 強度低下は少ない.
(3) 高硬度タイプTiB
2は, 型彫放電加工による50%のデュティーファクタで55%程度の強度低下を示すが, 硝酸によるエッチング法で50μm除去すれば著しく強度回復する.この方法は形状の制約がない点からも有効と考える.
(4) 同様に形状の制約の無い硝酸ソーダ水溶液による電解加工を試み, 5A/cm
2の電流密度で2min程度の加工でクラックが消失する.仕上面粗さはパルス電流が有利と考える.
(5) 型彫放電加工による50%のデューティファクタにおいて通常は深いクラックを発生する条件下においても粉体混入放電加工法を使用すれば単発放電による浅いクラックと大差ない結果が得られた.従って, 高いデューティファクタで放電加工を行う場合は, 粉体混入方式を使用すれば著しい強度低下を防ぐ可能性があると考える.
(6) 通常の放電加工によるデューティファクタが高い電気条件で深いクラックが発生した場合は, エッチング法及び電解加工によって強度回復が可能である.
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