EBDを利用したAFM用探針の作製法について実験的な検討が行われ,EBD探針付きのカンチレバーが取り付けられたAFMを使い,EBD探針の効果がライン・アンド・スペースパターンの観察を通して検証された.得られた結果を以下に要約する.
(1)SEMの真空容器内での残留ガス分子が電子ビームによって励起分解されることにより生じるカーボンコンタミネーションを積極的に利用して,高いアスペクト比の起伏を有するマクロな表面の測定に適した探針の作製法が開発された.
(2)EBDを利用した探針作製法を用いると,針幹直径0.1μm以下,先端の曲率半径0.05μm以下で,下地材との密着性に優れ,長さ数μm以上のAFM用探針を作製することができる.
(3)EBD探針を使ったAFM実験を通して,EBD探針は従来の探針を使った場合に比べて高アスペクト比の凹凸形状をより正確にイメージングできることが確認された.
抄録全体を表示