構造用途を目指したセラミックスでは,最大の欠点であるぜい性を克服するため,複合化による高じん化が検討されている。実際に,複合化によってセラミックス単体に比べて大幅な高じん化が可能であることは実験的にも実証されており,複合化の有用性は明らかとなりつつある.特に不連続な強化材(ウィスカなど)を用いたCMCは,製造が比較的容易であり,これまでに多くの研究がなされている.一方,製造が困難な連続繊維系では,C/C複合材料が実用化されているのみで,まだまだ基礎的な研究段階にある.
力学的側面から見ると,CMCの特徴的な挙動を定性的に示す解析モデルが提案された段階にあり,今後は定量的に力学的挙動をシミュレート可能なモデルの確立に向けて活発な研究が展開されていくものと推測される.また,材料研究ぼかりでなくCMCを用いた設計方法や非破壊検査の技術が同時に発展することも,実用化を実現する上で重要である.
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