毛細管内の磁性流体を外部磁場で駆動し,発生可能な磁気圧を検討した.その結果,
(1)内径70,100,200,40μmの毛細管を使用し,直流磁場を加えた場合の磁場の強さ(範囲)と磁気圧は,ほぼ線形関係を示し,理論式での計算値と比較すると約13倍の値が得られた.
(2)管径に依存する差は内径200μmまでの範囲では表面張力を考慮して補正できるが,400μm上では得られる磁気圧の予測は困難である.
(3)パルス磁場では周波数とデューティ比の組合せによって,より低電力で磁気圧を発生できることを確認した.
(1)の30%の差が恒常的なものであるかは定かでないが,理論式を用いて性能の下限を対象とした設計は可能であると思われる.
磁性流体を外部磁場で駆動するアクチュエータの実現を上述のような仕様(巻数など)で考える場合,現在の技術でmm以下のオーダのソレノイドを製作することは,非常に困難であると思われる.しかし,流体を直接に駆動できるという点は,他のアクチュエータにない大きな長所であるため,今後,マイクロコイルの研究が流体システムにとって重要であると考えられる.
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