目的 : 本研究においてわれわれは, 活性化血小板検出のためのレーザー散乱光法と活性化血小板マーカーを用いたフローサイトメトリー法の感度・特異度を検討した. 方 法 : 対象は, 慢性期脳梗塞患者35例. 対照として年齢のマッチした16例を用いた. 自然凝集能とくに小凝集塊 (レーザー散乱光法), そして血小板活性化特異的モノクローナル抗体 (抗CD62P抗体とPAC-1) とフローサイトメトリーによる測定を行い, 感度, 特異度, 各検査間の相関を比較した. 結 果 : 自然凝集能, CD62P陽性率, PAC-1陽性率の感度はカットオフ値を対照群における平均値+2SDに設定するとおのおの37.1%, 60%, 60%, 特異度は100%, 100%, 94%であった. また, ROC曲線 (判断分析) による評価では, 抗CD62P抗体とPAC-1のAUC (ROC曲線より下の面積) が, おのおの0.866±0.049, 0.847±0.055に比し, 自然凝集能 (Smax) は0.752±0.068と低値を示したが, 自然凝集能とCD62P陽性率, PAC-1陽性率に統計的有意差は得られなかった. 散乱光法による自然凝集とCD62P, PAC-1陽性率の間に有意の相関がみられた. 結 論 : フローサイトメトリーによる検出法は, レーザー散乱光に比し感度に優れ, 血小板活性化の検出法として有用である.
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