日本血栓止血学会誌
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21 巻, 3 号
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特集「ITP:最近の話題」
総説
特集「血栓止血の臨床―研修医のために」
  • 長江 千愛, 瀧 正志
    2010 年21 巻3 号 p. 297-300
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    Points
    (1) 血友病類縁疾患は凝固因子抗原量と活性の関係から,Type 1(凝固因子欠乏症)と,Type 2(凝固因子異常症)の二つに分類される.
    (2) わが国における血友病類縁疾患は先天性フィブリノゲン欠乏症と第XIII因子欠乏症,第VII因子欠乏症が多い.
    (3) 血友病類縁疾患の診断は,病歴や家族歴,出血症状や部位,凝固スクリーニング検査と各種凝固因子の定量や活性値を測定して行う.
    (4) 血友病類縁疾患の臨床症状は欠乏する凝固因子によっても様々である.関節内や筋肉内の深部出血が特徴的とされるが,鼻出血や皮膚の出血斑も多い.
    (5) 出血時や手術などの観血的処置を行う際には,不足した凝固因子を補正するため血液凝固因子製剤や新鮮凍結血漿(FFP)による補充療法が行われる.
原著論文
  • 谷 慶彦, 寺田 周弘, 岡崎 仁
    2010 年21 巻3 号 p. 301-307
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    細菌汚染防止の観点から,濃厚血小板製剤は低温での保存が望ましい.しかし,低温に曝された血小板は生体内寿命が短くなるため実用化されていない.この低温による寿命の短縮は血小板の形態変化と深く関係していると言われている.そこで,高周波散乱光を用いて,低温下における形態変化を定量的に解析した.disc状からsphere状への形態変化は散乱光の振幅と良い相関を示した.血小板を冷却しながら散乱光を測定した結果,温度低下にともなうdisc状血小板の減少がリアルタイムに観察された.また,冷却温度の違いは再加温時の形態復帰に影響を与えていた.適切な温度制御よる血小板形態の可逆性の保持は,低温保存の一助になることと,高周波散乱光による形態変化のリアルタイム測定は低温下における血小板の活性化メカニズム解明に有用であることを示唆した.
平成22年度日本血栓止血学会 学術奨励賞
ISTH 2011 Memorial Award
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