本研究では,交通行動と健康状態,ならびにクルマの運転動機,交通手段への態度,五大性格特性,主観的幸福感等の心的傾向を計測する指標との関係性を把握することを目的に,神奈川県大和市職員を対象としたアンケート調査(
n=479)を行った.このうち健康診断データの提供に同意した職員は180名であった.分析の結果,クルマ・バイク通勤者はメタボ該当者がそれ以外の通勤者の倍程度であった.心的傾向については,組織との関係が良好で地域のボランティアに参加しているほど,メタボや高BMIの傾向が示された.この理由としては,勤務先やボランティア等で飲食を伴う交流が盛んであった可能性が考えられる.メタボは危険因子が集積した状態であり,自覚症状が希薄であるため,健康指標として心的傾向と組み合わせた分析を行う際には留意が必要である.
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