本研究では,看護職の患者に対する言語的対応測定尺度を岩村・小柳らのファシリテータ発言分類15項目 (1984) に対応する発言例を用いて作成し,その信頼性・妥当性の検討を行なった。
33項目からなる文章例を用いた質問紙により,K 病院看護師243名に調査した。
因子分析 (プロマックス法) の結果,固有値1.5以上の4つの因子が抽出された。 抽出された4因子は第I因子 「相手および自己の開示」,第II因子 「相手の言動に対する評価」,第III因子 「傾聴しているという表現 (反応・質問)」,第IV因子 「相手の言動や気持ちの確認」 と命名された。
言語的対応測定尺度における4つの下位尺度 「相手および自己の開示」,「相手の言動に対する評価」,「傾聴しているという表現 (反応・質問)」,「相手の言動や気持ちの確認」 について,いずれも高い信頼性 (α=.703~.843) と内的整合性が示された。
言語的対応測定尺度における4つの下位尺度と日本語版 SSI 尺度6領域の内,「社会的表現性」 「社会的感受性」 に有意な相関が認められ,概念的妥当性があることが確認された。
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