人工昼夜の条件下に飼育した成熟ラットに,PMSおよびHCGを投与して,排卵数,左右卵巣からの排卵割合および不正常卵子の割合をしらべ,次の結果を得た。
1. 1964年7月に,HCG投与量を50iuとし,PMSの前処置量を10, 20, 30, 40, 30+20, 50,60iuとするとき,平均排卵数はそれぞれ17.9, 23.7,31.7, 41.5, 41.9, 56.5, 53.7コであった。またPMS量を50iuとし,HCG量を25,100iuとした場合の平均排卵数は,それぞれ53.0,55.3コであり,無処置のラットの排卵数は10.5コであった。
2.PMS30iu+HCG50iuを処置した場合の,3~7月における平均排卵数は29.5~36.0コで,9~1月における排卵数23.3~26.7コより僅かに多い傾向がみられ,PMS50iu+HCG50iuを処置したラットの,3~7月における平均排卵数は40.3~56.5コで,9~1月の31.2~33.3コよりも多かった。
3.無処置のラット140匹,PMS30iu+HCG50iu処置の195匹,PMS50iu+HCG50iu処置の195匹のラットにっき,左右卵巣からの排卵数をしらべた結果,左右の機能はほぼ等しいと考えられた。
4.HCG投与量を50iuとし,PMSの前処置量を30iuまたは50iuとして過排卵を誘起した場合,fragmentedおよびimmature ovaを含む不正常卵子の割合は,それぞれ1.25%(5853コのうち73コ)または1.23%(8509コのうち105コ)であった。
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