4日周期を画くWistar-Imamichi ratの1周期中の卵管内,子宮内の卵検索および子宮や子宮内貯留液,卵巣,下垂体の重量について検討した。
1)卵管内の卵(第1表,第1図)はIII期の日の午前1時からアンプラ内に検出可能となり,2時には50%,4時には100%アンプラ内に検出され,アンプラ内の卵は大部分が皿期の日の午後8時からIV期の日の午前0時の間にアンプラと子宮の間の卵管に移行し,アンプラと子宮の間の卵管にはI期の日の午後0時まで僅かの例ではあるが観察され,大部分はV期の日の夕刻に子宮へ移行している。
2)卵管内に検出された卵数はIII期の日の午前4時に12コとなり,以後IV期の日の午後10時までは安定した卵数を示し,その後しだいに減少の傾向を示した。3)卵管のアンプラ内に現われた排卵直後の卵(第1表,写真1~18)は卵胞細胞が著しく多く,その後時間経過とともに減少し,IV期の日の午前2時以後には卵胞細胞のわずかに付着しているものや全く無いものが検出される。
未受精卵の分割はIV期の日の午前6時(排卵後28時間)から始まり,最初は2分割を示すものが多く,時間経過とともに3コ以上に分割するものが多くなるが最後まで丸のままで分割しない卵もあった。なお異常卵と思われる卵は約3%程度であった。
4)子宮内の卵は大部分がV期の日の午後2時から8時の問に急増し,I期の日の夕刻から減少し,III期の日の午前2時以後にはほとんど認められなくなる。
5)子宮重量(第1図)は1期の日が最も重く,III期の日の午前0時から4時まで減少する。
6)子宮内貯留液(第1図)はV期の日の夕刻から貯留を開始し,I期の日の午後8時に最高となり,III期の日の午前10時以後は認めれなくなる。
7)卵巣重量(第1図)はI期の日の夕刻から急速に増加を示し,午後10時には最高値を示し,III期の日の午前1時までには重量は減少する。
8)脳下垂体重量はI期の日の午前10時からIII期の日の午後6時まで重くなる傾向を示したが著しい差異は認められなかった。
抄録全体を表示