家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
17 巻, 1 号
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  • 豊田 裕
    1971 年 17 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    排卵の支配機構の解明は繁殖生理学の基本課題の一つであると同時に実用的見地からも重要な課題であります。正常な性周期における排卵を観察しますと, まずそれが2つの規則性を有することが知られます。第1は排卵が発情周期に伴い一定の間隔で周期的に起こるという事実です。第2は一発情期に排卵される卵子の数がそれぞれの動物種によってほぼ一定しているという点です。したがって排卵の支配機構を完全に解明するにはこの両者, すなわち (1) 排卵時期の支配および (2) 排卵数の支配の両者を研究する必要があります。本研究は, これらの問題点に関しラットを用いて基礎的な検討を行なったものです。
  • 林 正利
    1971 年 17 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • V.牛黄体形成ホルモン免疫血清による牛以外の家畜の性腺刺激ホルモンのImmunoassayの可能性
    森 純一, 檜垣 繁光, 細田 達雄
    1971 年 17 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    牛LH免疫血清を用いて牛以外の家畜の性腺刺激ホルモンのimmunoassayの可能性を明らかにする目的で,牛LH免疫血清と他の家畜の性腺刺激ホルモンの関係を寒天ゲル内沈降反応および血球凝集阻止反応によって検討した。結果は次の通りであった。
    1)牛LH免疫血清と牛,馬,羊,豚,うさぎ,鶏およびラットの下垂体抽出液による寒天ゲル内沈降反応においては,抗原である牛のほか,羊,豚,うさぎおよびラットの下垂体抽出液と免疫血清の間に沈降線の出現が認められたが,馬および鶏の抽出液と免疫血清の間には沈降線の出現が認められなかった。
    2)牛LH免疫血清と牛,馬,羊および豚のAPG標品による寒天ゲル内沈降反応においては,抗原である牛のほか羊および豚の標品と免疫血清の間に沈降線の出現が認められたが,馬の標品と免疫血清の間には沈降線の出現が認められなかった。この結果は下垂体抽出液の場合の成績と一致していた。
    3)牛LH免疫血清と牛および羊のLH標品による寒天ゲル内沈降反応においては,沈降線は牛および羊のLHに対してそれぞれ1本ずつ認められ,その接点は完全に融合一致していた。
    4)牛LH免疫血清と牛LH感作血球による血球凝集阻止反応において,牛,羊および豚のAPG標品ならびに牛および羊のLH標品は阻止作用を示したが,馬のAPG標品は阻止作用を示さなかった。この結果は寒天ゲル内沈降反応の結果と一致するものであった。
    5)牛LH免疫血清とPMSGおよびHCGの間には,寒天ゲル内沈降反応においても血球凝集阻止反応においても反応が認められなかった。
    以上の結果から,羊,豚,うさぎおよびラットの性腺刺激ホルモンは牛LH免疫血清と反応を示し,本免疫血清によるimmunoassayの可能性が推定されたが,馬および鶏の下垂体性性腺刺激ホルモンならびにPMSGおよびHCGでは牛LH免疫血清との間に反応が認められず,現状では本免疫血清によるimmunoassayは不可能であると思考された。
  • VI.絨毛性性腺刺激ホルモン免疫血清による家畜の性腺刺激ホルモンのImmunoassayの可能性
    森 純一, 檜垣 繁光, 細田 達雄
    1971 年 17 巻 1 号 p. 20-24
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    HCG免疫血清を用いて家畜の性腺刺激ホルモンのimmunoassayができるか否かを明らかにする目的で,HCG免疫血清と家畜の性腺刺激ホルモンの間の血清学的関係を寒天ゲル内沈降反応および血球凝集阻止反応によって検討した。その結果次のことが明らかになった。
    1)寒天ゲル内沈降反応において,HCG免疫血清と家畜の性腺刺激ホルモンすなわち牛,馬,羊,豚のAPG,牛,馬,羊のLH,羊,豚のFSHおよびPMSGの間には沈降線の出現が認められなかった。
    2)血球凝集阻止反応において,家畜の性腺刺激ホルモンすなわち牛,馬,羊,豚のAPG,牛,馬,羊のLHならびに羊,豚のFSHはHCG免疫血清とHCG感作血球による血球凝集反応を阻止しなかった。また,あわせて行なった牛PLおよびGHも血球凝集反応を阻止しなかった。
    これらの結果から,牛,馬,羊,豚などの家畜の性腺刺激ホルモンはHCG免疫血清と血清学的な反応を示さないことが明らかとなったので,人LHの場合のように,HCG免疫血清によってこれらの家畜の性腺刺激ホルモンのimmunoassayを行なうことは不可能であると認められた。
  • 石田 一夫
    1971 年 17 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ハムスターの卵子について,細胞分化の状態を位相差顕微鏡と染色標本を用いて詳細に観察したところ,次のような成績が得られた。
    排卵後70~76時間の8細胞期の卵子は,4個のほぼ大きさの等しい球形のinnercellと,それらを取り巻く4個の扁平なtrophoblastとに分化していることが判明した。従って,16細胞期の卵子(排卵後74~77時間)でも8個のinnercellと同数のtrophoblastとが区別できた。未分化の8細胞卵子は排卵後71時間まで存在し,blastocystは排卵後76時間から出現した。また,innercellの塊とtrophoblastとの間に生ずる1ecithocoeleは分化8細胞期においてすでに認められた。さらに,位相差顕微鏡による観察から,分化8細胞卵子が16細胞期に進むと小型化して扁平になり,blastocyst期(細胞数はそのまま)にいたって再び大型化することが確認された。分化16細胞卵子の小型化は細胞同志の付着が堅固になったためと考えられ,一方,blastocystの大型化は主としてlecithocoeleの拡張によることが観察された。
  • 石田 一夫, 石島 芳郎, 遠藤 克
    1971 年 17 巻 1 号 p. 29-35
    発行日: 1971/09/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    家兎,ハムスターおよびマウスの卵巣間質腺について,各種dehydrogenase,nonspecific esteraseおよびphos-phataseの活性をいろいろな生理的条件の下において組織化学的に検索した。
    これら ?? 歯類の間質腺には,Δ5-3β-OH-SDHは存在しているが,3α-OH-SDH,17β-OH-SDHは出現しない。これらのsteroid dehydrogenaseと最も関係深いと考えられているG-6-PDHは常に強い活性を示した。その他,IDH,MDH,SDH,α-GDHも証明されたが,LDH,β-HDH,GDHは痕跡的にしか認められなかった。EtaseとAcid Phaseは反応陽性であったが,AlkPhaseは検出されなかった。
    ハムスターの第1型と第2型の間質腺の間には,Δ5-3β-OH-SDH,G-6-PDH,Etase,Alk Phase,AcidPhase活性に相違が認められた。一方,発情期,妊娠期,泌乳期において,間質腺の酵素活性は変動を示さなかった。gonadotrophin投与によって過排卵を誘起された成熟マウスにおいても,間質腺の諸酵素には変動がみられなかった。
    なお,間質腺と黄体について,酵素活性の変動の相違を比較検討した。
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