1)MAGNUS法によりラット摘出輸精管及び精嚢の運動性の部分的差異を調べ,輸精管,精嚢及び凝固腺の間の薬物に対する感受性の比較を行つた。
2)輸精管に於てアセチールコリン,アドレナリンに対する感受性は睾丸側の方が尿道側よりも高く,バリゥム塩に対しては差はなかつた。又精嚢では此の様な部分的差異は認められなかつた。
3)アセチールコリンに対する感受性は精嚢が最も高く凝固腺,輸精管の順に低かつたが,アドレナリンに対しては輸精管の睾丸側と精嚢との間に感受性の差はなくいずれも凝固腺よりも高かつた。輸精管尿道側は凝固腺とほぼ等しい感受性を示した。塩化バリウムに対しては輸精管の感受性は精嚢,凝固腺のそれよりも高く,アセチールコリンに対する感受性について見られる傾向と対照的であつた。
4)輸精管の尿道側と睾丸側の感受性は変異が大であるが,此の両者の間には正の相関々係が存在する。
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