下垂体前葉からの泌乳維持hormoneの分泌に対する後葉hormoneの役割を知るため,ratでoxytocinを投与し,それの乳腺機能に対する影響をみた。
最初に,正常泌乳の各時期,及び離乳(20日)2日後の乳腺組織について,その呼吸,及び乳酸生成量をみたが,FOLLEY&FRENCH
11)がratで得たものと大体等しい結果を得た。
実験群では,泌乳12日に離乳させたratに1日3回3日間,oxytocin 1 I.U.を腹腔内に注射し,乳腺組織の呼吸と乳酸生成量をしらべた。
離乳により,組織sliceのR.Q.,-Qo
2,Qco
2はともに急激に下り,乳酸生成量は増す。又.発情も回復してくるが,これ等の変化に対し,oxytocin投与は何等の抑制的効果ももたなかつた。
しかし,これがすぐ,oxytocinに泌乳維持作用のないことを示すかどうかは疑問である。この点について目下,更に研究中である。
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