Relaxinの検定には,モルモットの恥骨縫合弛緩反応が一般に用いられている。しかし,モルモットの反復使用によりrelaxinに対するモルモットの恥骨の感受性が鈍くなり,これが検定上の誤差を生じる1因と考えられる。
本研究は体重350~4509の雌のモルモットを用い,これをrelaxin反復注射区と対照区に分け,試験期間中両区ともに毎週15μgのdiethylstilbestrolを注射した。
試験区に2単位のrelaxinを8日間連続注射することにより,モルモットの恥骨縫合弛緩反応は次第に低下し,8日目には最初の反応の1/6~1/10程度まで低下した。
その後,試験区に週1回2単位のrelaxinを注射した結果,試験区のモルモットの恥骨縫合の感受性は最初のレベルまで回復せず,5週後にはその弛緩反応は完全に失われた。
最後のrelaxin注射から10日後に,試験区対照区に対して日量1.5mgのprogesteroneを8日間注射した。この注射により,対照区のみが恥骨縫合の弛緩を示し,relaxinを反復注射した試験区は全く反応しなかった。
以上から,比較的短期間でも大量のrelaxinの反復注射によってモルモットはrelaxinに対する耐性を獲得し,その感受性が低下することを知った。
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