茨城県畜試の3,269,東大牧場の1,509頭のブタの産子の性比を調査した結果次のことを知った。
1)総性比:茨城の合計は雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。品種別では,茨城のHybでのみかたよる。既調査9場間には,合計,品種別ともに有意差がみられる場合がある。
2)父,母個体:父ブタ;茨域で雄へかたよるもの1頭,東大では雌へかたよるもの1頭がみられる。母ブタ;両場ともに,両性へのかたよりがみられる。
3)産次:合計では,茨城の2階級で雄へかたよるのみである。品種別の結果は区区である。産次区分で,茨城の2区でかたよりを示すが,以後の区分との間には有意差はみられない。東大ではこのような現象はない。
4)同腹子数:合計では,東大の1階級においてのみ雄へかたよる。品種別の結果は両場で区区である。子数区分では,茨城の合計,YとHybの1区で雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。
5)季節:合計では,茨城の第一次性比の夏と冬,第二次性比の秋に雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。品種別では,茨城のL,Hyb,東大のHybでかたよりを示す季節がある。茨城では,季節性比間に有意差がみられる場合もあるが,東大ではみられない。
6)自然交配と人工授精:茨城の合計とHybで人工授精は雄へかたよりを示すが,自然交配との間に有意差はない。東大では,かたよりも,有意差もみられない。
7)父,母年令:父;茨城の合計の1階級で雄へかたよるが,東大ではみられない。品種別では,茨城で雄へ,東大では雌へかたよりを示す場合がある。年令区分では,茨城合計の2~10区で雄へかたよるが,区間に有意差はない。母;合計で茨城の2階級で雄へかたよる。品種別では,両場ともに,両性へのかたよりを示すものがある。年令区分では,茨城の合計0~1で雄へかたよるが,区分間に有意差はみられい。
8)父母年令差:合計では,両場ともにかたよりはみられない。品種別では,両場で,年長の親と同じ性へかたよる場合,また,その逆もみられる。
9)歴年度:合計では,東大の1年度でだけ雌へかたよる。品種別では,茨城では雄へ,東大では両性へかたよる年度がみられる。
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