家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
18 巻, 4 号
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  • 西田 司一, 大塚 順, 真田 武, 新井 忠夫, 加納 康彦
    1973 年 18 巻 4 号 p. 119-126
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    茨城県畜試の3,269,東大牧場の1,509頭のブタの産子の性比を調査した結果次のことを知った。
    1)総性比:茨城の合計は雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。品種別では,茨城のHybでのみかたよる。既調査9場間には,合計,品種別ともに有意差がみられる場合がある。
    2)父,母個体:父ブタ;茨域で雄へかたよるもの1頭,東大では雌へかたよるもの1頭がみられる。母ブタ;両場ともに,両性へのかたよりがみられる。
    3)産次:合計では,茨城の2階級で雄へかたよるのみである。品種別の結果は区区である。産次区分で,茨城の2区でかたよりを示すが,以後の区分との間には有意差はみられない。東大ではこのような現象はない。
    4)同腹子数:合計では,東大の1階級においてのみ雄へかたよる。品種別の結果は両場で区区である。子数区分では,茨城の合計,YとHybの1区で雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。
    5)季節:合計では,茨城の第一次性比の夏と冬,第二次性比の秋に雄へかたよるが,東大ではかたよりはみられない。品種別では,茨城のL,Hyb,東大のHybでかたよりを示す季節がある。茨城では,季節性比間に有意差がみられる場合もあるが,東大ではみられない。
    6)自然交配と人工授精:茨城の合計とHybで人工授精は雄へかたよりを示すが,自然交配との間に有意差はない。東大では,かたよりも,有意差もみられない。
    7)父,母年令:父;茨城の合計の1階級で雄へかたよるが,東大ではみられない。品種別では,茨城で雄へ,東大では雌へかたよりを示す場合がある。年令区分では,茨城合計の2~10区で雄へかたよるが,区間に有意差はない。母;合計で茨城の2階級で雄へかたよる。品種別では,両場ともに,両性へのかたよりを示すものがある。年令区分では,茨城の合計0~1で雄へかたよるが,区分間に有意差はみられい。
    8)父母年令差:合計では,両場ともにかたよりはみられない。品種別では,両場で,年長の親と同じ性へかたよる場合,また,その逆もみられる。
    9)歴年度:合計では,東大の1年度でだけ雌へかたよる。品種別では,茨城では雄へ,東大では両性へかたよる年度がみられる。
  • 窪道 護夫, 猪 貴義, 鈴木 勝夫
    1973 年 18 巻 4 号 p. 127-131
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    絨毛性性腺刺激ホルモソ(HCGと略)の作用時問と幼若雌マウスの卵巣の出血 ?? 胞•黄体形成,並びに,子宮重量反応が誘起する相互の関係を明らかにする目的で,抗絨毛性性腺刺激ホルモソ血清(抗HCG血清と略)によるHCG作用の遮断試験をおこなった。得られた主な結果は次のものである。
    1)HCG単一皮下注射に対する出血 ?? 胞•黄体形反応並びに子宮重量反応は72~96時間で高い反応値を示したが,120時間以降,反応値は激減した。
    2)HCG単一皮下注射に対する出血 ?? 胞•黄体形成反応は2.5~101.U.の用量でy=2.57x+3.46のプロビット回帰直線が得られ,直線性は否定されなかった。子宮重量反応は2.5~101.U.の用量でY=0.78x+13.81が得られ,直線性並びに回帰係数は高い有意性を示した。
    3)HCGに対する生殖器反応の遮断試験をおこなった。HCGに対する黄体形成反応は20時間区,出血 ?? 胞反応は30時間区,子宮重量反応は40時間区から発現した。さらに,出血 ?? 胞•黄体形成反応について3時間間隔で検討した結果,黄体形成反応は15時間区,出血 ?? 胞反応は24時間区から惹起した。
  • I.発情持続
    筒井 敏彦, 清水 敏光
    1973 年 18 巻 4 号 p. 132-136
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    50頭の雑雌犬の発情持続についての観察結果は,つぎのとおりである。
    1. 発情前期の持続日数は3~27日,平均8.3日,標準偏差3.4日であった。
    2. 発情期の持続日数は5~20日,平均10.9日,標準偏差3.4日であった。
    3. 発情前期と発情期の合計の持続日数は11~35日,平均19.4日,標準偏差2.7日であった。
    4. 発情出血の持続日数は4~37日,平均20.5日,標準偏差5.0日であった。
    5. 発情中に交尾させなかったもの,交尾させ妊娠したもの,不妊であったもの,不妊交尾させたものの発情持続日数に有意差はみられなかった。
    6. 発情の発現に季節的な関係はみられなかった。
  • II.排卵時期に関する観察
    筒井敏彦
    1973 年 18 巻 4 号 p. 137-142
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    雌犬31頭につき,交尾させることなく,雄犬許容開始後種々の時間に開腹して卵巣の状態を観察し,排卵に関し,次の知見を得た。
    1. 排卵時期は,雌犬が雄犬の許容を開始してから,48時間前後に始まり,60時間までにはほぼ終了した。
    2. 排卵は左右卵巣で,ほぼ同時(12時間以内)に起こり,4~6個の卵胞が排卵する。
  • VI. 子宮分泌液中の糖および糖近縁物質の同定
    菅 徹行, 正木 淳二
    1973 年 18 巻 4 号 p. 143-147
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    牛子宮液中の糖とその近縁物質を同定する目的で,発情期5頭,黄体期25頭,胎盤形成前の妊娠期4頭,合計34頭の子宮液について,ガスクロマトおよび薄層クロマト分析を行ない,つぎの結果を得た。
    牛の子宮液中における主な糖質はグルコース,フラクトース,ソルビトール,イノシトールで,これら4成分は発情期,黄体期,妊娠初期のいずれの場合にもみいだされた。しかし,ラムノース,キシロース,ガラクトース,エリスリトール,キシリトール,アドニトール,アスコルビン酸は検出されなかった。
    また,牛子宮液中の糖および糖近縁物質の定量にはカラムSE-52を用いたガスクロマトグラフィーの応用が望ましいことがわかった。
  • 武石 昌敬, 松本 秀俊, 安藤 洋次, 常包 正
    1973 年 18 巻 4 号 p. 148-154
    発行日: 1973/03/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1) ウシ胎児の精巣下降は胎令4ヵ月からみられ,5ヵ月令では全例に精巣下降を認めた。
    2)雄牛胎児血清中のテストステロン値は胎令5ヵ月から認められ,6ヵ月令で最高値を認めた。これら血清中のテストステロン値の胎令別分布値は胎児精巣L細胞数の変動と一致した。
    3)胎令5,6ヵ月のものでは,精巣重量に対する血清テストステロン値並びに体重に対する精巣重量の割合も最高値を示し,さらに尿膜水中17-KS値/50 ml並びに精のう腺F値もともにこの胎令でピークが認められた。
    これらのことから,ウシ胎児精巣からのテストステロン分泌の可能性と胎児自身の内分泌面での自律性の獲得が示唆された。
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