家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
9 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • III. 成熟マウスにおけるPMSG投与成績
    信永 利馬, 今道 友則
    1963 年 9 巻 2 号 p. 41-43
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1. 成熟処女マウスのRMSGによる排卵単位は皮下投与で41U,腹腔内投与では2.301U,静脈内投与では1.541Uであつた。
    2. 排卵単位を基準にして投与方法による排卵誘起反応の鋭敏度を比較すると1PMSG. M. Ov. U.(S.C.) ?? 1.7PMSG. M.Ov.U.(I. P.) ?? 2.6PMSG. M. Ov.U.(I. V.)であった。
    3. HCG投与によるマウスの誘起排卵反応における皮下腹腔内,静脈内注射の鋭敏度の割合と,マウスにおけるPMSGの皮下,腹腔内,静脈内注射間の誘起排卵反応の鋭敏度の割合を比較すると,PMSGよりもHCG投与の方が皮下,腹腔内,静脈内注射間の鋭敏度率がやや大きい。
    4. PMSGとHCGの排卵誘起力を比較すると成熟処女マウスを用いた場合PMSGよりもHCGの方が皮下,腹腔内及び静脈内注射のいずれの場合も4~5倍排卵誘起力が優れている。
  • V. 成熟ラッテの甲状腺機能と下垂体機能との関係について
    島 澄夫
    1963 年 9 巻 2 号 p. 44-48
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1) 甲状腺機能の変動による,下垂性腺刺激機能の変化を,脾内移植した卵巣片の発育状態をもつて,しらべた。雄,去勢雄,雌ラッテの脾内に移植した卵巣の発育は,甲状腺機能の変動に対して,殆んど何の影響も受けなかつた。しかし,去勢雌ラッテの脾内に移植した卵巣の発育は,甲腺機能の変動によつて,大きく影響され,甲状腺機能低下時において,その発育は著るしく阻害された。しかし,これに,甲状腺ホルモン投与を行い,甲状腺機能を補償するときは,卵巣片の発育肥大は,回復する傾向が得れた。また,甲状腺機能低下時に,PMSを投与すると,移植卵巣は,著るしい,発育肥大を示した。これによつて,甲状腺機能低下時には,下垂体の性腺刺激能が減退していることが考察された。
    2) 下垂体の性腺刺激ホルモン含量を排卵試験によつて調べ,甲状腺機能下時において,下垂体の性腺刺激ホルモン含量に著るしい減少を認めた。さらに,これに,甲状腺ホルモンを投与すると,同ホルモンの含量は増加する傾向が得られた。これによつて,甲状腺ホルモンは下垂体に作用して,性腺刺激ホルモンの生産に促進的に働らくことが推測された。
  • VI. 幼若ラッテの甲状腺機能と性ホルモンに対する反応性との関係について
    島 澄夫
    1963 年 9 巻 2 号 p. 49-52
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1) 甲状腺機能低下時における,去勢幼若雄,雌ラッテについて,各々,テストステロン,エストロゲンを投与し,これら性ホルモンに対する反応性の変化をしらべたが,判然とした結果を得るにいたらなかつた。
    2) 甲状腺ホルモン投与時における,去勢幼若雄ラッテについて,テストステロンを投与し,これに対する副性器の反応をしらべたところ,その反応が著るしく増強されることが認められた。
    3) 甲状腺機能と,性機能との関係について,総括的な考察を試み,甲状腺機能低下時の性腺機能の減退,甲状腺機能亢進時の性腺機能の修復,あるいは亢進は,下垂体の性腺刺戟能と,甲状腺刺戟能との,"Shift"的関係を示唆するものであることと推察した。
  • 天野 武, 堀家 守彦, 久保 正義, 浪花 潔
    1963 年 9 巻 2 号 p. 53-56
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • II HCG Testosterone投与による脳下垂体摘出幼若雄ラットの蔵器重量の変化
    大滝 恒夫, 村上 一雄
    1963 年 9 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    22~24日令の幼若雄ラットの脳下垂体を摘出し2日目より4日間HCG,Testosterone投与した結果を要約してみると,1)HCG,Testosterone投与とも睾丸重量反応を除いて睾上体,前立腺,精嚢腺の重量増加の傾向は同様であり,脳下垂体摘出後の退行変化を阻IEすることが出来る。2)蔵器重量:についてHCG投与よりTes•tosterone投与の方が重量が重くなつていた。又Test-osterone投与では前立腺,精嚢腺も同様に重量が重くなつたのに対してHCGでは前立腺に比し精嚢腺は軽かつた。従つてこの日令のラットではHCGによつて刺激された睾丸の分泌するAndrogenはTestosteroneのみでない可能性もある。3)HCG検定に脳下垂体摘出幼若雄ラットを使用する場合には臼lr立腺腹葉が最も鋭敏である。その用量反応曲線が直線性を示す投与量の範囲はおおよそ1/2~8IUまでの問である。同一標品を用いて2回の成績ては1Pr.U.は0.7および0.8IUであり比較的よく一致した。
  • I 温度と精子代謝量との関係について
    瑞穂 当, 丹羽 太左衛門, 副島 昭彦
    1963 年 9 巻 2 号 p. 63-66
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    温度と精子代謝量との関係について試験を行ない,次の知見を得た。
    (1) 豚精子を材料として10°C,20°C,30°C,37°Cの好気的条件下の代謝量を測定した結果,10°Cの温度上昇により精子の呼吸量も解糖量も約2倍に増加するという関係を認めた。
    (2)家畜間の比較において,精子呼吸量には著差を認めなかつたが,解糖量は豚•馬精子は乳牛•山羊•兎精子に劣り,殊に豚精子は低温における解糖作用の低下が顕著であつた。
    (3)豚精子は15°Cに保存された場合は5°Cに保存された場合よりも代謝能力を良好に保持し,山羊精子は逆に5°Cに保存された場合の方が代謝能力の保持に有効であり,乳牛精子はほぼ両者の中間に位置した。すなわち精子代謝量の測定結果も,精液はそれぞれの保存適温に保存されるべきであることを示すものと言える。
    (4)静置状態における精子の解糖量を測定した結果,各保存適温における単位精子数当りの解糖量は豚乳牛,山羊精子ともほぼ同程度であつた。この結果から,家畜の種類にかかわらず,精子が生存を維持するためには精子1億1時間当りブドウ糖として5~10γ程度の解糖によつて得られるエネルギー量が必要と認められ,この量の解糖をおこない得る温度がその精液の保存適温となると言うことができよう。
  • 清水 寛一
    1963 年 9 巻 2 号 p. 67-69
    発行日: 1963/09/15
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    泌乳研究の目的で晩秋から冬へかけて減乳期にあるヤギをえるため,2月初旬に2頭のヤギを黄体ホルモンとPMS処理による発情,排卵誘起を行い,交配して7月に分娩泌乳させることに成功した。
feedback
Top