1940年HOOKERがマウスの子宮内膜に対してprogesteroneが特異的な変化を与えることを発見し, 1947年progesterone微量定量法としてHOOKER-FORBES法を確立した。
本法はマウスの子宮腔内に0.0006ccの検体を注入し, 48時問後に屠殺検査をして, 間質細胞核が円形となり, 核小体は鮮明に, クロマチン顆粒が均等に分散する像をもつて陽性反応とする検査法であり, 極く微量で鋭敏な反応を示すこと及び同時にestrogenが混在していても反応は抑制されないのが特徴である。
私共は本法によるprogesteroneの定量中, 偶々牛について本法を追試して見た結果, 全く同様な所見を得たので, 更に慢性子宮内膜炎に罹患した牛の子宮内膜をbiopsyにより採取し, 健康牛と比較した結果, 去勢変化に類似した所見を得たので, これら子宮内膜炎の治療に従来使用されている抗生剤に性ホルモンを添加して治療試験を行つた。結果の判明したものにつき報告する。
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