熱帯農業
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40 巻, 3 号
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  • ピパタナウオン ナロンチャイ, 藤重 宣昭, 山根 健治, 居城 幸夫, 尾形 亮輔
    1996 年 40 巻 3 号 p. 101-105
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    中性イチゴは生育期を通して連続的に開花するため, ランナー生産性は低い.中性イチゴのランナー生産を改善することを目的として, GA3, BAおよびGA3+BA葉面散布処理並びに施肥量が3つの品種 (‘サマーベリー’, ‘みよし’および‘円雷’) のランナー生産, 開花および生長パラメータに及ぼす影響について検討した.
    50ppmGA3, 50ppmBAおよび50ppmGA3+50ppmBA処理によって‘みよし’のランナー生産が2から3倍に有意に促進された.GA3およびGA3+BA処理により‘円雷’および‘サマーベリー’のランナー生産がそれぞれ約8および4倍に増加した.
    葉柄長は‘みよし’と‘円雷’ではGA3処理により, ‘サマーベリー’ではすべての散布処理により増加した.葉数は‘みよし’においてはGA3処理, ‘サマーベリー’ではBA処理により増加した.花序数と葉面積はすべての散布処理によって増加しなかった.
    2週間ごとの1植物体当たり100mgのCDU化成 (NPK (15-15-15) ) 施用は50mgの施用よりも3品種の花序生産, 生長パラメータおよび植物体重を増加させた.また, ‘円雷’のランナー生産を有意に促進した.
    生長調節物質処理と施肥量によってランナー生産を改善しうるが, 品種によって反応の異なることが示唆された.これらの結果は熱帯におけるイチゴの栄養繁殖の問題に対しても示唆を与えると考えられる.
  • コンドカル ヌル アハメド, 佐藤 晃一
    1996 年 40 巻 3 号 p. 106-112
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    バングラデシュでは3季の稲作が行われているが, 特に生育期間が7月から11月である移植水稲 (通称アモン稲) は, 雨季であるために雑草の繁茂が著しく, その防除対策が問題となっている.そこで, 雑草の発生に稲の株間隔並びに施肥が与える影響につき試験を行った.バングラデシユでは, 一般に畝間間隔は20~25 (cm) , 植え付ける株間間隔は土壌の肥沃度に応じて10~30 (cm) とされている.そこで, 畝と稲株の間隔がそれぞれ20×10 (cm) , 25×15 (cm) 及び30×20 (cm) である試験田を設け, それぞれの試験田でさらに窒素肥料を0, 40, 60, 80, 100 (kg/ha) 施用した試験区を設けて実験を行った. (標準施肥量は60kg/ha~80kg/ha) 同様の試験区は4連設け, 各試験区における雑草調査は3箇所ずつ100×100 (cm) の範囲について行った.
    調査は, 雑草の個体数乾物重及び繁茂度 (水稲1株当たり雑草の個体数) を, 水稲移植後25日目 (W1) 並びに45日目 (W2) にそれぞれ雑草を全て抜き取って計測した.
    6科に属する9種の雑草が確認され, 雑草の発生は水稲の株間隔の増大と有意な関係において増大し, かつまた窒素量の増加とも直線的な関係により増大した.この場合, 水稲の生育度合 (の影響と考えられる) によって, W1の方がW2に於けるよりも雑草量が多い傾向を示した.
    1ha当たり窒素施用量1kgの増加により, 雑草密度 (AD: 個体数/m2) はそれぞれ0.422 (W1) 及び0.200 (W2) 増大し, 乾物重 (DM: g/m2) は0.068g/m2 (W1) 及び0.061g/m2 (W2) , そして発生度 (II: 個体数/水稲1株) は0.018 (W1) 及び0.010 (W2) いずれも増大した.
    窒素量 (N) とAD, DM及びIIとの間には, 高い相関で (r2; 0.937~0.852) 1次の関係式が得られた.
    これらの結果は, 同様な生育環境下にあって, 移植田における雑草の発生が, 水稲の株間隔並びに窒素施用量と密接な関係にあることを示した.
  • 本村 恵二
    1996 年 40 巻 3 号 p. 113-117
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    3つの稔性回復系統RT61C, RT98CおよびRT102Cのもつ雄性不稔細胞質および稔性回復遺伝子を同定するとともに稔性回復遺伝子についてはさらに同座性の検定を行った.これらの系統は野生稲Oryza rufipogonの異なる3系統の細胞質および稔性回復遺伝子を連続戻し交雑法により, 栽培稲台中65号に導入した系統である。稔性回復遺伝子はいずれの系統においても単一座の優性遺伝子をもつことがわかっている.実験に先立ち, それぞれの稔性回復系統に台中65号を父本として2回交雑し, 劣性の遺伝子をもつ不稔系統RT61A, RT98AおよびRT102Aを育成した.これらは検定系統として次の交雑に用いられた.
    まず, 稔性回復系統を起源を異にする他の2不稔系統と交雑した.RT61A/RT98CのF1では稔性を回復したが, RT98A/RT61Cでは完全不稔であった.それゆえにRT61Cのもつ細胞質および稔性回復遺伝子はRT98Cのもつそれらとは異なっていた.RT61A/RT102CのF1は高い種子稔性を示したが, RT102A/RT61CのF1では完全不稔を示した.したがって, RT61Cの細胞質および稔性回復遺伝子はRT102Cのそれらとは異なっていた.RT102A/RT98CのF1は稔性を回復したが, RT98A/RT102CのF1は完全不稔であった.ここでもRT98とRT102Cは細胞質および稔性回復遺伝子をそれぞれ異にしていた.結局, 3つの稔性回復系統はそれぞれ異なる細胞質および稔性回復遺伝子をもっていた.
    次に, 稔性回復遺伝子の同座性検定を行った.各稔性回復系統問のF1に台中65号を交雑した.RT98C/RT61C//台中65号, RT98C/RT102C//台中65号, RT102C/RT61C//台中65号の交雑では不稔個体と稔個体が半数ずつに分離したため検定することができなかった.しかしRT61C/RT98C//台中65号, RT61C/RT102C//台中65号およびRT102C/RT98C//台中65号の交雑ではいずれの場合も不稔個体が出現しなかった.これは3稔性回復系統の稔性回復遺伝子が同座を占めることを示すものであった.
  • カンサ ジョージ オデュロ, 丸尾 達, 篠原 温, 伊東 正
    1996 年 40 巻 3 号 p. 118-122
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    スイカ (Citrulus lanatus Thunb.) 2品種 (‘Baoguan’, ‘Xinlan’) を供試し, 光照度 (50%, 100%) と気温 (33℃, 38℃) が, 光合成速度 (Pr) , 蒸散速度 (E) , 気孔伝導度 (gs) , 細胞内CO2濃度 (Ci) , および果実収量・糖度に及ぼす影響を調査した.
    高照度下で生育した植物体のPr, E, gsは, 低照度下でのものより高かった.品種について比較すると, いずれの気温でも高照度条件下で, ‘Baoguan’のPr, E, gsおよび収量が, ‘Xinlan’よりも高かった.光合成速度と蒸散速度, および気孔伝導度と収量の間には, 統計的に有意な正の相関が, また, 光合成速度と細胞内CO2濃度との間には負の相関が認められた.果実糖度 (Brix) は, 両品種ともに12.0~13.5の範囲にあり, 処理による影響は認められなかった.
    スイカの生育, 収量は, 遮光により低下したが, 50%遮光条件下でも実際栽培上の問題はなく, さらに光強度が高い熱帯アグロフォレストリー地域においては, 適度な遮光下でも十分に栽培が可能と推察された.
  • 渡辺 巌, 川島 圭子, 杉井 志穂
    1996 年 40 巻 3 号 p. 123-130
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    導入されたアゾラの種の生育状況を知るため, 国際稲研究所に保存されているアゾラの一部と本邦で採取したもの約50株を三重大学で培養・保存し, これらの株の三重での年間の生育状況を水耕と土耕で調査した.本邦で採取したものは実はAgzolla microphylla (MI) とA.filiculoides (FI) の交雑種で導入されたものだった.水耕実験 (1992年6月末から約1年間) では毎週一定量を接種して, 2―3週間継続培養し, 週間の日平均増殖量を求めた.1992年6月から1年間にしめて20回の培養試験をおこなった.明確な季節変動を示し, 冬はほとんど生育が停止し, 春から初夏にかけて最高の生育を示し, 夏に生育が低下し, 秋に生育が回復したが, 生育速度最高値は春ほどでなかった.夏と冬には一部の株は枯死した.年間を通じて一.生育の良かったのはMIとFIの交雑系統であった (55g新鮮重m-2day-1) .温度と生育速度の問に明瞭な関係があり, 日最高気温の週間平均値が10℃以下では生育はほとんど見られず, また30℃以上では増殖の最高値が低下した.FIの最適温度は他の系統より低かった.土耕での生育も明瞭な季節変動を示し, 年間を通じて一番生育の良かったのはCA3005であった (1日で10.5%の新鮮重増加) .やはりFIは高温に弱かった.土耕でも真夏に枯死するものが多かった.土耕で26の株で主に9―12月と5―7月に胞子のう形成が観察された.
  • ―沖縄農業を事例に―
    仲地 宗俊
    1996 年 40 巻 3 号 p. 132-135
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 古川 博恭
    1996 年 40 巻 3 号 p. 136-138
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 大城 正市
    1996 年 40 巻 3 号 p. 139-143
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 島袋 清徳
    1996 年 40 巻 3 号 p. 144-147
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 40 巻 3 号 p. 148-154
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 松永 英輔
    1996 年 40 巻 3 号 p. 155-157
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 高垣 美智子
    1996 年 40 巻 3 号 p. 158-160
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 古川 久雄
    1996 年 40 巻 3 号 p. 161-163
    発行日: 1996/09/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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