熱帯農業
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41 巻, 2 号
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  • 長峰 司
    1997 年 41 巻 2 号 p. 45-51
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    人為的に誘発した胚乳形質突然変異イネ系統を沖縄県石垣島で一期作と二期作に栽培したところ, 二期作で特異的に種子不稔を起こす数系統を見いだした. 種子不稔の遺伝を明らかにするため, 突然変異系統と原品種とを交配して得たF1植物を二期作で, F2雑種集団を一期作と二期作で栽培して種子稔性を調査した. F1植物は二期作において高い種子稔性であった. F2個体は一期作ですべて高い種子稔性を示し, 低稔性個体を分離しなかった. 一方, 二期作では低稔性個体が分離し, 高稔性と低稔性とが3: 1に分離し, この種子不稔は劣性の単遺伝子に支配された.
  • マティン モハマド アブドル, 大屋 一弘, 新城 俊也, 堀口 毅
    1997 年 41 巻 2 号 p. 52-59
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    暗赤色土において有効リン酸が7.1, 11.2, 17.0, 21.0mg・100g-1と異なる区にサトウキビ (品種: F-177) を1993年3月~1994年3月の間春植栽培し, 土壌のリン酸レベルがサトウキビの生育, 収量, 品質に及ぼす影響を調べた.
    サトウキビは土壌リン酸の多い所で葉面積指数や乾物生産が高く, 根張りも良好であった.その結果サトウキビ収量も高リン酸区では低リン酸区の53t・ha-1に比べ76tと高くなった.しかし, 砂糖収量は有効リン酸11.2mg区で最高 (12t・ha-1) となった。高リン酸区のサトウキビ葉では窒素含有量が高く, 一方で亜鉛や銅の含有量が低下しており, 土壌にリン酸が多過ぎるときはサトウキビの窒素吸収が助長される反面亜鉛や銅の吸収が阻害され, それが蔗茎への砂糖蓄積を鈍化させる要因になると考えられた.
  • 曽 富生, 呉 詩都
    1997 年 41 巻 2 号 p. 60-65
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    ダイズ22品種を春・夏・秋三作低投入と高投入管理で栽培し, 収量の作季ならび投入に対する品種間変異を調べた.供試品種の収量は, 春作および夏作の方が秋作より高収を示した.三作共に, 高投入管理の収量が高く, その差異は約二倍程度を示した.品種間差異, また品種と作期・品種と投入の相互作用も統計的に有意であった.収量の投入反応を高投入と低投入管理の収量の差との比によって評価すると, 高投入栽培で高収量を表す品種がその反応が大きかった.その関係は三作共に正の相関関係であり, すなわち, 一般に高投入栽培において多収の品種が, 低投入管理で栽培すると, 収量の減量程度は, 多収品種ほど大きく低収品種ほど小さかった。
  • ビン タン, 山内 稔, ソー タン タン, ニー セイ, チェーン サン, ガルシア アーノルド
    1997 年 41 巻 2 号 p. 66-73
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    ミャンマーでは, 2期作の導入により水稲の生産量を増やすために省力的な直播栽培が奨励されている。しかし, 直播の普及は, 苗立ちの不安定さのために限られている。本研究は, 水稲の催芽種子を代かきをした嫌気条件下の水田土壌中に播種 (嫌気土中播種) し, 苗立ちを得ることが可能であるか, また可能であればどのような品種が適しているかを明らかにするために行われた。水田土壌を詰め, 水深25mmに保ったコンクリート枠の水槽で18品種の催芽種子を土中25mmに播き, 苗立ち特性を評価した。また8品種の苗立ちと収量性についてイエツィンとキョウセーの2地点で代かき後の土中条播により, 1994年の乾期に評価した。コンクリート枠水田土壌中での苗立ちは, 出芽速度と高い相関関係を持ち, また出葉数やメソコティルの伸長とも相関関係を持った。ミャンマー品種のうちで最も高い苗立ちは, NgakyweとPawsanに認められた。苗立ち性, 収量性及び成熟期間に基づいて品種を評価した結果, バングラディシュで育成された品種BR736-20-3-1が最も直播に適応していた。
  • 豊原 秀和, 菊野 日出彦, 入江 憲治, 菊池 文雄
    1997 年 41 巻 2 号 p. 74-80
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    パプアニューギニア産を主とするヤムイモ (Dioscorea alataL.) の25導入品種を東京農業大学用賀圃場で6月3日から11月28日まで栽培し, 地上部・地下部形質の品種間差異を調べた.
    普通の栽培区とともに, 厚さ0.2mmのビニールシートを畦全体に被覆したマルチ区を設けた.生育初期のマルチ区の平均地温は対照区よりも約2.6℃高く, 栽培期間中の土壌水分 (pF) は, マルチ区の土壌水分含量が高く両区の差は約0.2であった.
    供試品種は, 地上部および地下部の諸形質について, 著しい品種間差異を示した.マルチ区と対照区の全供試品種の測定値の平均値 (品種平均値) で比較した場合, 分枝数, 葉数, 葉幅, 葉長について, 7月下旬頃より差が見られ, いずれもマルチ区が大きかった.収穫時における地上部総生体重と一枚当たり葉面積においても, マルチ区で大きかった.地下部形質では, マルチ区の塊茎重, 塊茎数は対照区よりも増加した.塊茎長には両区の間に有意な差は認められなかったが, 塊茎の厚みや幅など塊茎の太さに関する形質は両区間に有意な差があり, いずれもマルチ区で大きかった.マルチ処理によって地上部総乾物重と塊茎重は共に増加し, 両形質間には, 正の相関関係があり, マルチ処理によって地上部の生育量が増加する品種ほど, 塊茎重も大きくなる傾向を示した.供試品種の中には, 千葉県の農家がアフリカより導入し, 栽培している品種と同様に, 塊茎の肥大する品種が見いだされた.これらの品種は日本の温帯環境条件下でも, 定着の可能性が大きいと考えられた.
  • 渡邉 巌
    1997 年 41 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
    育種によりササゲ (Vigna unguiculata (L.) WALP.) の耐乾性向上を図るためには, 耐乾性が優れる交配親を特定し, 交配後代の耐乾性を評価しつつ選抜する必要がある.このため, 耐乾性の評価方法を確立するとともに, 耐乾性極強の遺伝資源を見出そうとした.
    NigeriaのKano市に存在するIITA (国際熱帯農業研究所) Kano支所の乾季の圃場を利用して, 遺伝資源900系統の評価を行い, 極強の22系統を特定した.乾季の圃場を利用するこの評価方法は省力的であり, 試験精度の面でやや問題があるものの, 一回の供試量として1, 000系統程度の大量の供試材料を粗選抜するのに好適する方法であると思われた.
    次に, 実生をポット栽培し, 土壌水分を規制しつつ評価する方法を試みた.Kanoの現地で供試した砂質土壌の場合は重量比で土壌水分3%が最適であった.つくばで追試した場合は火山灰土壌と川砂を容積比1: 1で混合した土壌を用いる事により3%での評価が可能となった.
    この方法で90系統・品種を評価し, 極強の21系統・品種を特定した.この評価方法は精度と再現性は高いが多労であるため一回の供試量として概ね100-170系統が限度であろうと思われた.
    圃場での評価では下層土壌に土壌水分が残留するため深根性である事が重要であろうと想定された.一方, ポットによる評価では根圏と土壌水分が厳しく限定されているため, 地上部の耐乾性が重要であろうと想定された.このため, 評価結果は当然異なるものと予想したがはからずも良く一致した.一致した理由は明らかではないが, 考えうる可能性を考察した.
  • ブーンセムスク スミット, 穴井 豊明, 長谷川 宏司, 久島 繁
    1997 年 41 巻 2 号 p. 89-92
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • ―特に水管理対策について―
    三好 弘
    1997 年 41 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 福井 捷朗
    1997 年 41 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 田中 耕司
    1997 年 41 巻 2 号 p. 107-110
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • 高村 奉樹
    1997 年 41 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • ―中央アンデスを中心に―
    山本 紀夫
    1997 年 41 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
  • ―JIRCASの研究活動を中心にして―
    岡 三徳
    1997 年 41 巻 2 号 p. 123-135
    発行日: 1997/06/01
    公開日: 2010/03/19
    ジャーナル フリー
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