27名の上肢の片側性リンパ浮腫患者の治療を行った.12名に外来通院にて圧迫を主とする保存療法のみを行った.平均10.6カ月の保存療法で平均0.8cm(術前の過剰周径の11.7%)減少した.4cm以上の著明な周径減少のみられた例はなかった.一方,保存療法が無効な18名に手術と術前後の圧迫療法を行った.術後平均2.6年の経過にて平均4.5cm(術前の45.2%)の減少が得られた.4cm以上の周径減少がみられたものは10例(55.6%)であった.
35名の下肢リンパ浮腫患者12名に外来通院にて圧迫を主とする保存療法のみを行った.平均1.5年の保存療法で平均0.6cm減少した.4cm以上著明に周径が減少した例は2例(16.7%)であった.一方,圧迫療法が無効な16名にリンパ管細静脈吻合術と保存療法を行った.術後平均3.3年の経過にて平均2.7cmの減少が得られた.4cm以上の周径減少がみられたのは8例(50%)であった.下肢リンパ浮腫33症例の局麻下の吻合術の結果は術後平均13.5カ月の経過で,浮腫の改善がみられたものは27例(全体の82%)で多くは吻合部周辺の周径減少がみられた.これらの周径減少は1~6cm(過剰周径の平均57.7%の減少)であった.また全麻と局麻いずれの例でもの浮腫の原因,術前の重症度,浮腫の期間,吻合数などと明らかな相関関係はないように思われた.
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