日本生態学会誌
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57 巻 , 2 号
選択された号の論文の29件中1~29を表示しています
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追悼記事
総説
  • 小野田 雄介
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 145-158
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    大気CO_2濃度上昇は、陸域生態系に大きな影響を及ぼすことが予想されている。植物のCO_2応答(短期的応答や順化)は、制御環境実験、オープントップチャンバー実験、開放系CO_2増加実験などにより、詳細に研究されてきた。しかしながら、数十年以上の長期間に渡る高濃度CO_2環境が、自然生態系にどのような影響を及ぼすかについては、実験設備や実験期間の制約から依然として分からないことが多い。1990年代からこの問題に取り組むユニークな手段として、天然のCO_2噴出地(natural CO_2 spring)が注目されている。本総説では、まず植物のCO_2応答を概説した後、CO_2噴出地が注目される背景、CO_2噴出地とは何かについてまとめ、その後CO_2噴出地を利用した植物研究のメタ解析の結果を報告する。CO_2噴出地において観察される植物の応答は、多くの栽培実験の結果と定性的によく一致する。また定量的には、制御環境実験の結果よりも、開放系CO_2増加実験の結果により近く、CO_2噴出地を利用した研究が、より現実的な植物のCO_2応答を捉えていると言えるかもしれない。CO_2噴出地はまた、高濃度CO_2に対する植物の適応、植生のCO_2応答、土壌のCO_2応答などを研究する上でも有用であり、これらに関する知見についてもレビューする。
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  • 北村 俊平
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 159-171
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    今日、東南アジア熱帯の森林は急激な減少を続けており、そこに生息する動物も絶滅の危機に瀕している。この総説では、東南アジア熱帯における動物による種子散布の有効性を取り扱った既存の情報(果実食動物の行動圏、腸内滞留時間、散布距離、種子散布地の特定、林床における果実消費、二次散布)を整理し、新熱帯やアフリカ熱帯における最新の研究成果を交えながら、東南アジア熱帯において種子散布に貢献する果実食動物の絶滅がもたらす影響について考察する。東南アジア熱帯においては、日中にどのような動物がどのような果実を利用するかについてはかなりの情報が蓄積されつつある。一方、夜にどのような動物が果実を利用しているか、林床でどのような動物が果実を利用しているか、どのくらいの距離を種子は散布されるのか、どこに種子は散布されるのか、散布後の種子の運命はどうなのか、の情報は非常に限られている。現段階の情報では、東南アジア熱帯において、ある特定の果実食動物の絶滅が、生態系に及ぼす影響を予測することは困難である。種子散布や種子捕食といった動物と植物の相互作用を介した生態系機能についての研究は、持続的な森林管理や熱帯林生態系の回復や復元に必要不可欠である。種子散布を担っている果実食動物相は地域により異なるので、情報の少ない東南アジア熱帯における独自の研究の進展が待たれる。
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特集1 生態学における理論研究と実証研究の連携
  • 吉田 丈人
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 172-173
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 顕, 東樹 宏和, 井磧 直行
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 174-182
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    日本のヤブツバキCamellia japonicaの種特異的な種子食害者であるツバキシギゾウムシCurculio camelliaeの雌成虫は、頭部の先に伸びた極端に長い口吻を用いてツバキの果実を穿孔し、果実内部の種子に産卵を行う。このゾウムシ雌成虫の攻撃に対し、ツバキ側も極端に厚い果皮という防衛機構を発達させている。日本の高緯度地方ではヤブツバキの果皮は比較的薄く、ツバキシギゾウムシの口吻も比較的短いが、低緯度地方では果皮厚と口吻長の両者が増大するという地理的なクラインが見られ、気候条件に応じて両者の軍拡共進化が異なる平衡状態に達したと考えられる。日本15集団の調査により口吻長と果皮厚には直線関係が見られ、また、両形質が増大した集団ほどゾウムシの穿孔確率が低いツバキ優位の状態にあることが東樹と曽田の研究により知られている。ここではツバキとゾウムシの個体群動態に、口吻長と果皮厚という量的形質の共進化動態を結合したモデルにより、共進化的に安定な平衡状態における口吻長と果皮厚との関係、穿孔成功確率、それらのツバキ生産力パラメータや果皮厚と口吻長にかかるコストのパラメータとの関係を探った。理論の解析により、(1)ツバキ果皮厚と、ゾウムシの進化的な安定な口吻長との間には、口吻長にかかるコストが線形であるときには直線関係があること、(2)コストが非線形であるときにも両者には近似的な直線関係があること、(3)南方の集団ほどツバキの生産力が高いとすると、緯度が低下するほど果皮厚と口吻長がより増大した状態で進化的な安定平衡に達すること、(4)ゾウムシの口吻長にかかるコストが非線形である場合、ゾウムシの平均口吻長が長い集団ほどゾウムシによる穿孔成功率が低くなることを見いだした。これは東樹と曽田が日本のヤブツバキとツバキシギゾウムシとの間に見いだした逆説的関係であり、ツバキシギゾウムシ口吻長には非線形コストがかかると示唆された。平均穿孔失敗率と口吻長との間に期待されるベキ乗則の指数から、ゾウムシの死亡率はその口吻長の2.6乗に比例して増加すると推定された。
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  • 石井 弓美子, 嶋田 正和
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 183-188
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    生物種間相互作用は生物群集の構造に重要な影響を与える。特に、数の多い餌種をその存在比以上に選択的に捕食するようなスイッチング捕食は、多種の共存を促進する強力なメカニズムとして注目され、多くの理論研究が行われてきた。しかし、その実証研究は遅れている。頻度依存捕食を引き起こすような捕食者の採餌行動についてはすでに多くの研究が行われているが、それらの行動が個体数動態、さらに群集構造に与える影響についての実証研究は多くない。理論研究によれば、ジェネラリストである共通の捕食者によるスイッチング捕食は、被食者間の共存を促進することが示されている。本稿では、多種の共存促進メカニズムとしてのスイッチング捕食について、理論と実証のそれぞれの研究について紹介する。また、著者らが行った2種のマメゾウムシ(アズキゾウムシCallosobruchus chinensis, ヨツモンマメゾウムシC. maculatus)と、その共通の捕食寄生者である寄生蜂1種(ゾウムシコガネコバチAnisopteromalus calandrae)からなる3者系実験個体群では、寄生蜂によるスイッチング捕食が2種マメゾウムシの長期共存を促進するという結果を得た。寄生蜂を入れずにマメゾウムシ2種のみを導入した系では競争排除により必ずアズキゾウムシが消滅したが、そこに寄生蜂を導入したときには3者が長期間共存し、さらに2種マメゾウムシの個体数が交互に増加・減少を繰り返すような「優占種交替の振動」が見られた。そこで、寄生蜂の2種マメゾウムシに対する寄主選好性を調べると、数日間の産卵経験によって寄主選好性が変化した。産卵した経験のある寄主に対して選好性を持つため、寄生蜂は、頻度の多い寄主に選好性をシフトさせ、頻度依存捕食をしていることが分かった。この結果はスイッチング捕食が被食者の共存持続性を増加させることを示した数少ない実証例である。
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  • 瀬戸山 雅人, 嶋田 正和
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 189-199
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    セコブマメゾウムシ属のマメゾウムシは、豆粒に均等に産卵するという特徴を持つ。まず豆粒に1卵ずつ産んでいき、どの豆粒にも1卵ずつ付いた状態になると、こんどは2卵目を産み始める。このようにして3卵、4卵…と産みつけていく。マメゾウムシは個体数動態論の研究が有名だが、個体群動態と行動生態学の両方の視点から見ると、マメゾウムシ以外で両分野を連携できる動物種は少ない。そこで、マメゾウムシの均等産卵行動を対象に、生物集団の理論と実証の連携の一例を紹介する。まず、ヨツモンマメゾウムシの産卵行動の録画データから、環境情報の要素として7項目を抽出した。そこから目的変数「産卵行動の有無」を設定し、説明変数のいくつかを取り込んだ一般化線形モデル(GLM)として重回帰分析を行なった。AICによるモデル選択の結果は、交互作用型ルールが最適となった。次に、産卵行動の3つの主要なルール(絶対ルール、相対ルール、交互作用型ルール)を、一般化線形モデルと相同のトポロジーを持つニューラルネット・モデルとして構築し、これを遺伝的アルゴリズムで進化させた。その結果、ニューラルネットワークの入力ノードを司る神経細胞の数とリンク数でコスト量を変えながら感度分析を行なうと、コスト高の条件では絶対ルールが進化し、コストが低い条件では交互作用型ルールが進化した。以上のことから、意思決定のルールがどのように進化するかを理解する理論と実証のアプローチについて、将来の展望を考察した。
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  • 佐竹 暁子
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 200-207
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    多くの植物では、開花および種子生産量が著しく年変動し、個体間で同調することが知られている。この現象は古くから注目され、多くの野外研究および理論的研究がなされてきた。本稿では、貯蔵資源のダイナミックスを捉えた資源収支モデルに焦点を当て、植物の繁殖同調を説明する理論構築と野外データを用いたモデル検証について紹介する。資源収支モデルでは、植物は毎年資源を貯蔵し、貯蔵量がある閾値を超えると貯蔵資源を投資することで開花、引き続いて結実すると仮定される。モデル解析の結果として、植物は繁殖への資源投資量が小さい場合にはある程度の花を毎年一定量咲かせるが、投資量が増すと繁殖後の資源枯渇のため隔年開花へ移行することが予測されている。さらに、花粉を介して他の個体と相互作用することが、個体間での繁殖同調を引き起こす重要な要因であることも示されている。つまり資源収支モデルで重要なパラメータは、繁殖量の変動の大きさを左右する資源減少係数と同調の程度を決める相互作用の強さの二つである。このモデルを検証しにくい点は、開花や結実量は観察できるのに対し、植物内に貯蔵されている資源量は目に見えず直接的観測が難しいところにあった。この問題点を解決したのが資源再構成法である。資源再構成法では、貯蔵資源の量を資源のインプットとアウトプットによる流れの式で書きあらわす。そして、繁殖への資源投資積算量vs.資源インプット積算量の回帰から貯蔵資源量を推定し、続いて繁殖量vs.推定貯蔵資源量の回帰によって資源減少係数および花粉制約の強さを推定する。この2段階の回帰を踏むことで鍵となるモデルパラメータを決定し、モデルの検証が可能になる。以上の方法を、野外の長期繁殖データにあてはめた例を二つ紹介する。
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  • 吉田 丈人
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 208-216
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
    個体群動態は、生態学者が古くからその理解に取り組んできた課題である。数理モデルを使った理論研究は質的に異なる様々な動態を予測し、実証研究はそのような動態が現実の個体群で見られることを示してきた。しかし、動態がどのように決まるかについて特定の説明が与えられ「理解」された野外個体群はほとんどない。また、動態に影響を与える新しい要因が、今なお発見され続けている。私たちは、モデル系として非常に単純な捕食者-被食者系を使い、その個体群動態を室内実験で詳細に調べることにより、野外個体群の動態を理解するのに資する知識を得ようと試みてきた。捕食者-被食者のモデル系としてワムシ(Brachionus calyciflorus)とその餌である藻類(Chlorella vulgaris)を用い、これらの生物をケモスタット(連続培養装置の一つ)で飼育して個体群動態を観測した。それと共に、個体群動態を説明する機械論的な数理モデルを得ようと取り組んできた。これまでに、ワムシと藻類の機能的反応と数量的反応・ワムシ個体群の齢構造と老化・藻類個体群の遺伝的多様性と迅速な進化が、この系の動態を説明するのに必要な要因であることを明らかにした。本論文では、ここまでの理解に至る過程を解説し、理論研究と実証研究がどのように有効に連携できるかについて一例を紹介したい。
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  • 吉田 丈人
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 217-220
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
  • 齊藤 隆
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 221-222
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 一憲
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 222-223
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
  • 松田 裕之
    原稿種別: 本文
    57 巻 (2007) 2 号 p. 224-225
    公開日: 2016/09/15
    ジャーナル フリー
特集2 クローナル植物の適応戦略
連載1 えころじすと@世界(7)
連載2 野外研究サイトから(7)
連載3 博物館と生態学(4)
連載4 学校便り(3)
連載5 北極紀行(3)
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