日本胸部疾患学会雑誌
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27 巻, 3 号
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  • 横山 哲朗, 河野 通雄
    1989 年 27 巻 3 号 p. 247-273
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 今野 淳, 松本 慶蔵
    1989 年 27 巻 3 号 p. 274-303
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 眞紀, 新田 啓次郎, 早川 哲夫, 中田 重俊, 宮本 祐一, 油井 泰雄, 信太 隆夫
    1989 年 27 巻 3 号 p. 304-309
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸不全患者9人に対しのべ10回, 環境調整室 (ECU) を使用して, その動脈血ガス分析, 一般呼吸機能に対する減圧の影響を調べ, 正常コントロールと比較した. 患者はIIP2人, RAに伴う肺線維症1人, 気管支拡張症3人, 慢性気管支炎2人, DPB1人である. 当院ECUにおいてまず, 気圧760mmHg, 気温25℃, 湿度60%に調整して, 動脈血ガス分析, 一般呼吸機能を実施し, 次に約20分かけて, 気温, 湿度は一定のまま気圧を670mmHgに下げ, その条件下で患者を1時間待機させた後, 再び同様の検査を実施した. 670mmHgの気圧は約1,000mの高地の気圧であり, また約9,000mを飛行する放客機の客室内の圧に相当する. 患者のPaO2は74.7±13.8torrから61.8±9.5torrへ有意に低下したが, 低下率は正常コントロール群と差が無かった. 一般呼吸機能においては, 一部の患者で特に著明なVCとFEV1.0の低下をみた. 自覚症状には変化がみられなかった.
  • 望月 吉郎, 岩田 猛邦, 種田 和清, 郡 義明, 田口 善夫, 南部 静洋, 富井 啓介, 久保 嘉朗, 弓場 吉哲, 市島 国男, 小 ...
    1989 年 27 巻 3 号 p. 310-316
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    化学療法の進歩した現在においても, Compromised host にとり肺炎の合併は重篤で死に至ることも多い. そこで終末期肺炎の病態を知るべく, 昭和53年~60年までの本院剖検例1,183例中剖検時広範に肺炎のみられた260例を検討した. まとめると以下の如くなる. (1) 剖検時陽性菌は, 血液培養・肺培養共 Pseudomonas aeruginosa・Klebsiella sp. が多く, グラム陰性桿菌が大半を占めた. (2) 起炎菌を決定し, 感受性のある抗生剤を投与しながら剖検時に同一菌が残存する例もみられた. (3) 菌交代がよく起こる可能性が示唆され, 頻回な菌検索が必要と思われた. (4) 抗生剤投与が長期化するにつれ P. aeruginosa の出現頻度は上昇し, Klebsiella sp. ・Escherichia coli の頻度は低下した. (5) 肺炎症状が軽微でありながら, 剖検時広範な肺炎を生じている例もあり, Compromised host においては注意深い観察が必要と考えられた.
  • 野口 昌幸, 中谷 龍王, 蝶名林 直彦, 中森 祥隆, 中田 紘一郎, 松下 央, 谷本 普一
    1989 年 27 巻 3 号 p. 317-325
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    びまん性汎細気管支炎 (DPB), 気管支拡張症, 気管支喘息, 肺気腫症などの慢性呼吸器疾患における患者血清並びに喀痰中の Sialyl SSEA-1 (Stage Specific Embryonic Antigen-1, SLX) を測定し, その他の糖鎖抗原を中心とした腫瘍マーカーと比較し, その臨床的意義について検討した. DPBにおけるそれぞれのマーカーの陽性率は, SLX79.4%, CA19-9 68.0%, CA125 46.7%, CEA 35.7%であった. DPBと気管支拡張症では血清中のSLX値は肺気腫症と気管支喘息に比べて有意に高値であった. DPBの血清SLX値は赤沈, CRP, 一日喀痰量などの気道感染のパラメーターとの相関を認めなかった. DPBでは免疫組織学的に細気管支一肺胞上皮においてSLXが陽性に染色され, この所見は対照とした正常肺組織では認められず, DPBにおける血清SLX値の上昇と関連のある所見であることが推測された.
  • 大久田 和弘, 舟田 仁, 佐久間 勉, 大貫 恭正, 小池 加保児, 新田 澄郎
    1989 年 27 巻 3 号 p. 326-330
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    透過性亢進型肺水腫の実験モデルとして, ハロセン麻酔下のラットに肺動脈持続的空気栓塞症を作製し, 塩酸ジラゼプの肺水腫発生に対する影響を検討した. 肺を摘出し組織学的観察と共に肺水腫を定量的に評価するため, Hbを指標とする重量法による肺血管外水分量を測定した. 空気泡栓塞子注入持続時間に関係なく, 栓塞子注入2時間後には肺血管外水分量が明らかに増加し組織学的にも間質性肺水腫の像を示した. 塩酸ジラゼプ0.01mg/kg/minの持続投与は空気栓塞により誘発される肺水腫の程度を軽減した.
  • 加野 草平, 西間 三馨
    1989 年 27 巻 3 号 p. 331-338
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    福岡県内の4大学, 15国公立病院小児科に小児慢性呼吸器疾患に関するアンケートを配布し, その予後調査を行った. 症例数は155例で, 気管支拡張症が37例 (23.9%) ともっとも多く, ついで新生児期の呼吸障害の遷延, 肺低形成, 肺嚢胞症, 肺線維症となっており, この5疾患で102例と全体の65.8%を占めていた. 現在, 酸素吸入中の者は9例 (5.8%) で, このうち在宅酸素療法を受けている者は5例であった. 手術を必要とした者は, 18例 (11.6%) であった. 155例の予後については, 治癒軽快: 91例 (58.7%), 不変: 31例 (20.0%), 悪化: 6例 (3.9%), 死亡: 6例 (3.9%), 不明: 21例 (13.5%) であった. また, 現在, 何らかの生活制限を受けている者は25例で, 全体の16.1%を占めていた.
  • 清水 佳代子, 小林 淳, 岩永 知秋, 倉富 雄四郎, 北村 諭
    1989 年 27 巻 3 号 p. 339-344
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    Thromboxane A2 (TxA2) は強力な血小板凝集促進作用, 気管支および血管平滑筋収縮作用を有している. DP-1904は新規に合成されたイミダゾール系のTxA2合成酵素阻害剤であり, その作用は強力かつ持続的である. 今回, 著者らは, モルモット気管, 肺組織切片を用い, 各種血管作動性物質の作用に及ぼすDP-1904の効果について検討した. 気管切片における arachidonic acid の弛緩反応, 肺組織切片における arachidonic acid の収縮反応, 気管, 肺組織切片における acetylcholine, histamine, prostaglandin Fの収縮反応は, DP-1904の持続投与により, 濃度依存性に有意に抑制された. 慢性閉塞性肺疾患をはじめとする種々の病態においてTxA2合成酵素阻害薬であるDP-1904が有用である可能性が示唆された.
  • 河内山 資朗, 篠崎 俊秀, 増山 茂, 巽 浩一郎, 木村 弘, 栗山 喬之, 本田 良行
    1989 年 27 巻 3 号 p. 345-351
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    男性呼吸器不全患者を対象にテストステロン (T) 分泌動態を検討した. 症例をPaO2の値により3群に分け検討を行った結果, PaO2が60Torr 以下の呼吸不全を呈した群では, PaO2が70Torr を越えるコントロール群と比較して, 尿中および血中T値の有意な低下が認められた. またLHRH負荷試験において, 呼吸不全を呈した群ではコントロール群と比較して, 30分後のLHの増加率の低下および個々の症例の検討でLHのピーク値出現の遅延が高率に認められた. 一方HCG負荷試験では48時間後の値に差は認められなかった. T生合成に関する17α水酸化酵素の活性を, 17α水酸化プロゲステロン/プロゲルテロンの比より推定したが, この値は低酸素血症の程度に伴い低下するのが認められた. 以上より男性呼吸不全患者においては, PaO2低下に伴いアンドロジェン活性の低下および17α水酸化酵素活性の低下が起り, これは視床下部-下垂体系の機能低下に起因していることが示唆された.
  • 青木 茂行, 三重野 龍彦, 倉富 雄四郎, 北村 諭, 城下 裕
    1989 年 27 巻 3 号 p. 352-356
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    37歳男性で肢帯型進行性筋ジストロフィーの症例. 肺機能検査成績から予測される以上に動脈血ガス分析値が異常を呈し, 右心カテーテル検査にて肺動脈平均圧の上昇を認めた. 夜間の観察により睡眠中の呼吸異常の関与が示唆され, sleep study を施行した. その結果, 中枢型無呼吸がREM期のみならずNREM期にもきわめて頻回にみられた. sleep apnea によるアシドーシス, 低酸素血症が肺動脈の攣縮を若起し, その長期にわたる反復が肺高血圧症の原因と考えられた.
  • 蝶名林 直彦, 中谷 龍王, 大谷 真喜子, 野口 昌幸, 吉村 邦彦, 中森 祥隆, 中田 紘一郎, 谷本 普一, 徐 慶一郎
    1989 年 27 巻 3 号 p. 357-366
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は40歳女性, それまで健康であったが, 入院3日前から微熱・咳嗽出現, 急速に呼吸困難増強し入院した. なお入院直前に, 飼育していたセキセイインコの雛が2羽とも死亡した. 胸部X線上, 両側性で辺縁にスリガラス様陰影を伴った広汎な浸潤影を認め, Pao2 25Torr, Paco2 47Torrと重症肺炎による急性呼吸不全を呈していた. また同時に肝機能異常, CPK上昇, FDP陽性を認め, 肝・筋病変及びD. I. C. など多臓器病変を伴った激症型オウム病を強く疑い, 入院当日よりMINO (400mg/日) を開始するとともに, 人工呼吸管理を始め, 更にステロイド薬とヘパリンを併用した. 発熱は, 約1週間続いたが, 胸部X線・諸酵素値も次第に改善し, 入院14日目に人工呼吸から離脱でき, 41日目に退院した. なお血清 Chlamydia CF 抗体価は, 入院後に1:32から1:256倍へと有意の上昇があり, 更に抗生物質使用直前に採取された本例の咽頭ぬぐい液及び死亡した雛の脾臓及び肝臓から, 細胞培養法により Chlamydia psittaci が分離され, オウム病の確定診断がなされた. 本例は, 健康女性に発症した激症型オウム病であるが, 早期に診断され, 人工呼吸管理とMINO, ステロイド薬, ヘパリン等により救命でき, かつ病原体である Chlamydia が分離された点で極めて重要な意義を持つ症例である.
  • 羽田 均, 山口 悦郎, 岡崎 望, 阿部 庄作, 川上 義和, 野島 孝之
    1989 年 27 巻 3 号 p. 367-372
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は55歳女性. 咳嗽・両側肺門部リンパ節腫大 (BHL) の精査のため入院した. ACEは正常, Gaスキャンでは両側肺門部に取り込みが増強していた. 気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中のリンパ球比率は28.9%と増加し, リンパ球中のOKIa1陽性細胞は50.5%と増加していたが, CD4/8比0.5と低下していた. 縦隔リンパ節生検標本では, 乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認め, サルコイドーシスと診断された. 同リンパ節の細胞表面マーカーの検索でも, CD8陽性細胞が優位に認められた. 発見20ヵ月後のBALFでは, CD4/8比は6.2と上昇していた. 発病初期のサルコイドーシス患者で, BALF中のCD4/8比が低下している症例は極めてまれであり, サルコイドーシスの肺病変の成立機序を考える上で, 興味ある症例と考えられた.
  • 織田 裕繁, 千住 玲子, 池田 重成, 平谷 一人, 門田 淳一, 福島 喜代康, 小森 清和, 今村 俊之, 廣田 正毅, 原 耕平
    1989 年 27 巻 3 号 p. 373-379
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    心サルコイドージスと診断した4例について考察を試みた. 心サルコイドージスは, 1例のみが心筋生検で確診されたのみで, その診断の難しさが確認された. 心電図では全例刺激伝導障害を認め, 2例に興奮生成障害を認めた. T1心筋シンチで欠損をみたのは2例にすぎず, 他の2例のうち1例ではSACE高値や高度の房室ブロックを示したが欠損を認めなかった. しかし, T1心筋シンチは診断や治療の効果判定および経過観察には有用と思われた. 心エコーでは, 壁肥厚や心室腔の拡大など認め, 補助的診断としては有用と思われた. ステロイド治療は, 全例のECG異常を改善させ, 有効な治療と思われた. またペースメーカー使用例でも, ステロイド中止例は心不全に, 継続例は自己調律に戻るなど, その有効性が確かめられた.
  • 高島 力, 上村 良一, 瀬尾 迪夫
    1989 年 27 巻 3 号 p. 380-384
    発行日: 1989/03/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    33歳, 女性. 全く無症状で, 健診の胸部X線写真で異常陰影が指摘され来院. 通常の胸部正面X線像で両側中下肺野を中心に肺門より末梢に向かって密に分布する微細粒状陰影を認めた. Fuji Computed Radiography (FCR) を用いた dual energy subtraction の bone image で, この異常陰影が石灰沈着より成り, 既往歴, 現病歴, 無症状, 検査所見すべて正常ということも合せ, 肺胞微石症と診断し得た1例を呈示した.
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