日本胸部疾患学会雑誌
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28 巻, 1 号
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  • 本田 良行, 滝島 任
    1990 年 28 巻 1 号 p. 3-44
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 山本 正彦, 山木戸 道郎
    1990 年 28 巻 1 号 p. 45-99
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 神代 尚芳, 森脇 優司, 伊藤 正己, 錦 正樹, 白阪 琢磨, 國府 達郎
    1990 年 28 巻 1 号 p. 100-104
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    未治療癌性胸膜炎患者20例を対象にサンドイッチ酵素抗体法を用いて, 胸水及び血清中の可溶型IL-2レセプターを, そして, 同時に胸水及び末梢血中のIL-2レセプター陽性細胞をフローサイトメトリ-法で測定した. その結果, 胸水可溶型IL-2レセプターは血清可溶型IL-2レセプターに比較して高値を (p<0.001) また対照とした漏出性胸水中に比して著しい高値を示した (p<0.001). 血清可溶型ILI-2レセプターの健常者群との比較でも有意に高値であった (p<0.001). IL-2レセプタ犬陽性細胞についても末梢血中よりも胸水中の方が有意に高かった (p<0.001). 可溶型IL-2レセプターとIL-2レセプター陽性細胞の間に相関は認めなかった. また, 癌種, 組織型で可溶型ILI-2レセプターに差は認めなかった.
  • 藤村 政樹, 野村 将春, 坂本 さゆり, 上尾 友美恵, 柴田 和彦, 小川 晴彦, 西 耕一, 松田 保
    1990 年 28 巻 1 号 p. 105-112
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    若年健康女性にみられる深吸気の Vmax 増加効果と basal bronchomotor tone の関係にっいて, partial and maximum expiratory flow-volume curve を用いて検討した. 深吸気の Vmax 増加効果は, ipratropium bromide によるPEF25の増加率 (r=-0.81, p<0.0002) および salbutamol によるPEF25の増加率 (r=-0.62, p<0.01) と有意の相関を示した. 深吸気の Vmax 増加効果の日差変動は, PEF25の日差変動と有意 (r=0.68,p<0.005) に相関したが, MEF25の日差変動とは相関しなかった. 以上より, 若年健康女性における深吸気の Vmax 増加効果は, 迷走神経緊張による basal bronchomotor tone が亢進しているためにみられる現象と考えた.
  • 岡崎 望, 山口 悦郎, 伊藤 昭英, 阿部 庄作, 寺井 継男, 川上 義和
    1990 年 28 巻 1 号 p. 113-120
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    家兎において2回の皮下感作後, 2回の気道内感作を加え過敏性肺炎モデルを作製し, 抗原暴露による抗体産生, マクロファージ遊走阻止試験 (MIT) と病理所見の経時的変化について検討した. その結果, 最終気道内感作3日目では, 気管支肺胞洗浄 (BAL) 所見で好中球比率が上昇し, 気管支肺胞洗浄液 (BALF) 中Mf特異的IgG抗体価は一時的な低下を示したが, 血清中では上昇した. 脾細胞中抗体産生細胞数 (AFC) は急増した. 病理所見は, 胞隔炎と著明な急性肺炎巣が特徴的であった. 一方, 7日目では, BAL所見のリンパ球比率, BALF中Mf特異的IgG抗体価, BALF中AFC数, MITがピークとなった. 病理所見は, 類上皮細胞肉芽腫病変が最も強く形成された. さらに, 14日目ではこれらの所見がほぼ消退した. 以上より, このモデルは Coombs-Gell のIII, IV型反応により病変が形成され, ヒトの病態生理を考慮する場合, 最終気道内感作後7日目が最適であると考えられた.
  • 慢性気管支炎患者との比較検討
    藤村 政樹, 坂本 さゆり, 上尾 友美恵, 西 耕一, 斉藤 元泰, 三宅 靖, 野村 将春, 松田 保
    1990 年 28 巻 1 号 p. 121-125
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気道過敏性におけるトロンボキサンA2の関与が, 気管支喘息 (BA) に特異的か否かを明らかにするために, BA患者8名と慢性気管支炎 (CB) 患者10名を対象として, メサコリン気道過敏性 (PC20-FEV1) に対するトロンボキサン合成酵素阻害剤 (OKY-046) およびシクロオキシゲナ-ゼ阻害剤 (インドメサシン) の影響を検討した. 両疾患患者とも, FIEV1はOKY-046やインドメサシンによって変化しなかった. PC20-FEV1の幾何平均は, OKY-046によってBA患者では1.78から4.28mg/mlへと有意(p<0.005) に増加したが, CB患者では変化しなかった. 一方, インドメサシンは, 両疾患患者のPC20-FEV1を変化させなかった. 以上より, 気道過敏性におけるトロンボキサンA2の関与は, 気管支喘息に特異的と結論した.
  • 森田 豊彦
    1990 年 28 巻 1 号 p. 126-134
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    日本病理剖検輯報第1~29輯 (1958~86年度例) の肺肉腫241例 (男性163, 女性78) を男女別に検討し10年区分 (I~III期) して推移を見た. 肺肉腫の頻度は全剖検例中男性約2,600, 女性約3,600例に1例, 悪性腫瘍剖検例中男性約1,400, 女性約1,800例に1例, 肺癌男性約240, 女性約170例に1例の割合であった. 肺癌との割合は男女とも期別に漸減していた. 男女比は2.1で, III期は2.6と特に高かった. 平均年齢は期別に男性では55, 55, 66歳とIII期のみが肺癌と有意差がなく, 女性では38, 51, 49歳と一般に若く, 肺癌の様な明瞭な高齢化がなかった. 男性ではI~III期の順に横紋筋肉腫, 平滑筋肉腫, 悪性リンパ腫が最多で, 女性では各期ともこれら三者が上位を占めていた. 男女III期に悪性線維性組織球腫が目立った. 肉腫の種類別ピーク年齢, 平均年齢は従来の報告より高かった. 若年者および高齢者では悪性リンパ腫, 中間年齢層では平滑筋肉腫が男女ともに最多であった.
  • 前田 道彦, 尾崎 敏夫, 安岡 劭, 小倉 剛
    1990 年 28 巻 1 号 p. 135-142
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    呼吸器の緑膿菌感染防御における肺胞マクロファージ (AM) と好中球の役割を明かにするため, ラットを用いて検討した. ホルマリン不活性化緑膿菌の気管内投与24時間後, 気管支肺胞洗浄液中の好中球数は著明に増加した. この好中球はAMに比べて緑膿菌貪食能が高く, 緑膿菌排除に重要であると考えられた. また, この好中球数増加は muramyl dipeptide 誘導体であるMDP-Lysの前投与により増幅された. 一方, AMは緑膿菌を貪食し, その貪食菌数に応じて好中球遊走因子を産生した. また, これらの機能はMDP-Lysの前投与により亢進した. これらから, 呼吸器の緑膿菌感染時にはAMが細菌を貪食し好中球遊走因子を産生することで, 病変部への好中球浸潤を促すこと, また, MDP-LysはAMの貪食能などの機能活性化により気道の感染防御能を亢進させることが示唆された.
  • 草野 史郎, 坂田 慎吾, 森川 伸雄, 千住 玲子, 平谷 一人, 福島 喜代康, 門田 淳一, 小森 清和, 林 敏明, 河野 茂, 神 ...
    1990 年 28 巻 1 号 p. 143-150
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    臨床所見と開胸肺生検で診断した Bronchiolitis obliterans oraganizing pneumonia (BOOP) の2例について, そのBAL所見を含めて報告した. 症例1は54歳女性, 症例2は68歳女性で, いずれも発熱および咳嗽で発症し, 胸写上多発性浸潤影を指摘された. 2例とも種々の抗生剤が投与されたが, 自覚症状および炎症所見の改善は認められず, その後さらに新たな浸潤影の出現を認めた. 経気管支肺生検では器質化性肺炎の所見が得られたが, 開胸肺生検で器質化性肺炎の像に加え閉塞性細気管支炎の所見を認めたため節BOOPと診断した. 但し, 症例1では病理診断 (除外診断) に困難さを経験した. BAL所見は, 症例1では, リンパ球の増加とOKT4/OKT8比の逆転を認め, 過敏性肺臓炎に類似する所見であった. また症例2では, リンパ球増多以外に, 一定の傾向はみなかった. 臨床的改善度とBAL所見正常化に差異が観察され興味ある所見であった.
  • 米山 浩英, 松島 敏春, 中村 淳一, 矢野 達俊, 安達 倫文, 田野 吉彦
    1990 年 28 巻 1 号 p. 151-155
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    私どもは拳法の発声練習中に強い皮下気腫をともなった縦隔気腫を同時に発症した2例を経験した. 1例は21歳の男性で自然気胸の既往があり, 1例は20歳の男性で既往症もなく生来健康であった. 胸部X線写真では心陰影に沿って縦走する線状の含気性陰影および著明な皮下気腫を共に認めた. 1例においては胸骨部から心尖部にかけて収縮期に一致した水泡様の雑音 (Hamman's sign) を認めたが, 1例では認められなかった. 入院後の検査でも明らかな基礎疾患となるものは認めず, 特発性縦隔気腫と考えられ, 強い怒責を必要とする拳法の発声練習で, 急激な胸腔内圧亢進が誘因となり, 部員18名中2名が同時に縦隔気腫をきたしたものと考えられる.
  • 谷口 誠, 木野 博至, 毛利 昌史, 中浜 昌夫
    1990 年 28 巻 1 号 p. 156-159
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 男性, 1972年以来気管支喘息発作があり, アミノフィリン, 交感神経刺激剤, 副腎皮質ステロイド剤の投与を受けていた. 本年1月急性緑内障を併発, マレイン酸チモロール点眼液の投与後呼吸困難が急速に進行, 死亡した. 剖検では典型的な気管支喘息重積発作の所見を認めた. 本例はチモロールの点眼により喘息発作が誘発され, 死亡した可能性が極めて高く, チモロール点眼による死亡例としては本邦初例である. 高齢者ではチモロールなどβ遮断剤を主成分とする点眼剤を使用する場合, 気管支喘息の既往がないことを十分確認し, 投与後も経過を慎重に観察する必要があると思われる.
  • 若林 修, 方波見 基雄, 日下 大隆, 山口 悦郎, 川上 義和, 井上 幹朗, 本間 行彦
    1990 年 28 巻 1 号 p. 160-164
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    59歳男性が, 咳嗽と労作時呼吸困難を主訴とし, 胸部異常影の精査のため入院. 胸部X線写真では, 特発性間質性肺炎と類似した両肺びまん性粒状影, 両下肺野の蜂巣状陰影と胸膜肥厚像を認めた. ボイラーマン, 家具の漆塗装, 住宅・鉄橋・ビルの塗装など多彩な職業歴を有しており, どのような塵肺症かは確定できなかった. 経気管支肺生検の結果, 珪肺結節や石綿小体などは認められなかった. 分析電顕にて多量の珪素・珪酸粒子を認め, 原因としてこれら粒子の関与が強く示唆された.
  • 毛利 孝, 小原 秋穂, 小西 一樹, 田村 昌士, 冨地 信和, 石井 宗彦, 工藤 国雄
    1990 年 28 巻 1 号 p. 165-171
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    呼吸困難, 発熱の症状を示し, 胸部X線像, CT像ではびまん性粒状影を示したハト飼病の一例を報告した. ハト血清とハト排泄物に対する沈降抗体が検出され, 肺生検の病理所見では間質性肺炎の所見が得られた. ハト血清の吸入誘発試験では発熱, 白血球の増加, 肺活量の低下, PO2の低下, CRPの陽性化の所見が得られハト飼病と診断した. BALでは回収細胞数の増加, リンパ球比率の増加が見られ, リンパ球サブセットでは, OKT8陽性細胞, HLA-DR陽性細胞が増加していた. 二重染色によるリンパ球表面マーカーの検索ではHLA-DR陽性細胞のほとんどはOKT8陽性であった. in vitro での末梢血単核球のハト血清添加による幼若化反応は陰性であったがステロイド治療の影響と考えられた. ガリウムシンチグラムでは肺野への集積は認められなかった.
  • 千住 玲子, 福島 喜代康, 門田 淳一, 平谷 一人, 小森 清和, 神田 哲郎, 広田 正毅, 原 耕平, 川原 克信, 富田 正雄
    1990 年 28 巻 1 号 p. 172-177
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    58歳, 男性. 呼吸困難, 咳を主訴とし, 胸部レントゲンにて広範なびまん性粒状影, 左上葉及び下葉の浸潤影と容積減少を認めた. BAL液では総細胞数の増加と好酸球の増加 (65.5%) を認め, TBLBにて好酸球浸潤を認め, chronic eosinophilic pneumonia (CEP) と診断した. プレドニン30mg/日から投与を開始し, 一時的に浸潤影の改善と呼吸機能の改善を認めたが, 20mg/日に減量したところ, 血液ガス上PO2が80Torrから60Torrと増悪を認めたため60mg/日まで増量した. 再び改善したが40mg/日に減量した時点で再び増悪を認めた. また, 胸部レントゲン上,プレドニンにて浸潤影は改善したが, びまん性粒状影や容積減少は軽快せず, これらの経過は chronic eosinophilic pneumonia のみでは説明できないと考えられた. 開胸肺生検を行い, 線維化, 肺胞壁のリンパ球浸潤, 肥厚等を認め, usual inter-stitial pneumonia の診断を得た. idiopathic pulmonary fibrosis (IPF) と chronic eosinophilic pneumonia の合併例は報告がなく,本例は興味深い一例と思われた.
  • 野口 昌幸, 渡辺 知司, 山口 昭彦, 坪井 永保, 成井 浩司, 吉村 邦彦, 蝶名林 直彦, 中田 紘一郎, 神林 宏, 遠藤 雄三, ...
    1990 年 28 巻 1 号 p. 178-182
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    胸膜, 胃を主要浸潤部位とする原発性マクログロブリン血症の症例を報告する. 48歳女性. 湿性の咳を主訴に来院した. 胸部レ線上右胸水の貯留が認められた. 血清および胸水の免疫電気泳動で midγ位にM-component を認めIgMが著増していた. 胸膜には小リンパ球の浸潤を認め, 胸水中にリンパ球と activated mesothelium が著増しており, リンパ球の蛍光抗体法では細胞表面でIgMに53.9%がκに59.8%が陽性であった. 骨髄や表在リンパ節には浸潤を認めなかったが, 胃粘膜組織にも同じくIgMκが細胞および間質に陽性に染色された. 以上より原発性マクログロブリン血症と診断した. ACOP療法により胸水の減少ならびに血清中のM-component, IgMの減少や胃粘膜病変の改善を認めた.
  • 小田 英俊, 道津 安正, 平谷 一人, 宮崎 幸重, 小森 清和, 林 敏明, 河野 茂, 神田 哲郎, 山口 恵三, 権藤 道雄, 廣田 ...
    1990 年 28 巻 1 号 p. 183-188
    発行日: 1990/01/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    アプリンジンによる薬剤誘起性肺臓炎の1症例を経験した. 症例は73歳男性, 発作性心房細動にて各種循環器系薬剤を服用していたが, 5ヵ月前より新たにアプリンジン (抗不整脈剤) の投与を追加された. 微熱, 呼吸困難が出現し, 胸部X線像では両側肺野に多発性の浸潤影を認め, 各種抗生剤の投与をうけるも陰影はむしろ増悪した. 気管支肺胞洗浄 (以下: BAL) にてリンパ球増多とOKT4/T8比の低下がみられ, 経気管支肺生検 (TBLB) でマッソン体を伴う alveolitis の像が得られた. 薬剤によるリンパ球刺激試験 (DLST) ではアプリンジンにのみ陽性を示した. その後薬剤を中止したところ, 陰影の改善をみとめたが, これが消失しないため, 開胸肺生検を施行して薬剤誘起性肺臓炎に矛盾しない所見が得られた. プレドニゾロンの投与にて, 陰影は改善した.
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