日本胸部疾患学会雑誌
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28 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 木村 郁郎, 岡田 慶夫
    1990 年 28 巻 2 号 p. 189-237
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 山口 豊, 人見 滋樹
    1990 年 28 巻 2 号 p. 238-283
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
  • 藤井 忠重, 田中 正雄, 草間 靖方, 広瀬 芳樹, 平山 二郎, 小林 俊夫, 半田 健次郎
    1990 年 28 巻 2 号 p. 284-292
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    心疾患における201Tl心筋シンチグラム上の肺集積の意義を明確にする目的で, 14例で肺集積の肺血管内外の局在を検討し, 69例で肺摂取率 (L/T) を用いて肺疾患と対比し, 675例で視覚的肺集積度を用いて臨床所見との関係を検討した. 肺集積はその95.7±2.8%が血管外スペースに分布し, ほぼ肺間質への集積と見做せた. L/T (右肺, 左肺) は左心不全 (+) の心疾患 (4.4±1.8%, 2.6±1.2%) が左心不全 (-) の心疾患, 肺疾患, 健常肺に比し高値を示した. 肺集積は左心不全症候, 肺静脈性肺高血圧, 肺循環時間遅延などと関連し, 左心不全症候 (+) の119例中104例 (87.4%), 僧帽弁膜症72例中52例 (72.2%) に (++) 以上の肺集積を認めた. 201Tl分布と肺血流分布は多くの例で平行関係を示したが, 肺高血圧を有する例を主体に下肺野で肺血流減少と201Tl肺集積を示した. 201Tl肺集積は心疾患の肺循環病態を評価するうえに役立つ.
  • 岡澤 明, 小林 英樹, 足立 満, 高橋 昭三, 三澤 美和
    1990 年 28 巻 2 号 p. 293-299
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    モルモットのオゾン暴露後の気道反応性の変化に対する Leukotriene (LT) C/D4受容体拮抗薬 (ONO-1078) および選択的 Thromboxane (TX) A2合成酵素阻害薬 (OKY-046) の効果について検討した. 人工呼吸下にメサコリンを低濃度より吸入させ, overflow 量を指標として, 容量-反応曲線を作製し, 気道反応性を評価した. オゾンは2.9ppmの濃度で30分間暴露した. オゾン暴露終了後1時間で気道反応性の有意な亢進を認めた. ONO-1078 (30mg/kg) およびOKY-046 (20mg/kg) の腹腔内への前投与により,オゾン暴露後の気道反応性の亢進はそれぞれ有意に抑制された. 気道反応性測定後に採取した気管支肺胞洗浄液中の細胞成分には, オゾン暴露前後で変動はなかった. 以上よりモルモットのオゾン暴露後の気道反応性の亢進には, Leukotriene および Thromboxane が関与しているものと考えられた.
  • 網谷 良一, 冨岡 洋海, 倉澤 卓也, 石田 直, 久世 文幸
    1990 年 28 巻 2 号 p. 300-307
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/07/01
    ジャーナル フリー
    9例の Primary ciliary dyskinesia (以下PCD) において画像診断を中心とした臨床像の評価と気道線毛の超微形態の検討を行った. 上下気道症状の早期発現や下気道の持続感染など臨床像の多くは欧米の報告と同様であったが, 画像診断に基く病型は限局する気管支拡張症 (5例), びまん性小結節性病変 (3例), 両者の混合型 (1例) の3型に分かれた. 6例の内臓逆位例 (いわゆる Kartagener 症候群) を除いて内臓正位3例中びまん性小結節性病変を呈した2例は臨床的にはびまん性汎細気管支炎 (以下DPB) と診断される症例であり, DPBとして診断された患者の中にPCDとしての特徴を備えた症例のあることを強く示唆した. 気道線毛の超微形態学的検索では施行8例全てに dynein arm の欠損 (内外側欠損4例, 内側のみの欠損2例, 外側のみの欠損2例) を認めた. なおPCD症例, とりわけ内臓正位例の発見には気道線毛の運動能検索を日常検査として行うことが必要不可欠である.
  • 佐藤 寿伸, 工藤 宏一郎, 村上 新也, 可部 順三郎
    1990 年 28 巻 2 号 p. 308-314
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    過敏性肺炎における肺内病変形成には宿主側要因, 特に特異免疫応答に関する遺伝的素因が関連している. 今回, 我々は OA 惹起過敏性肺肉芽腫形成能の低いC3Hマウスに放射線を照射して肉芽腫形成におよぼす, 放射線感受性細胞およびその細胞が産生すると考えられるIL-1の動態を検討した. その結果, 遺伝的低応答マウスでは低線量放射線照射により過敏性肺肉芽腫の形成が増強され, その消退は遷延する事が示された. また放射線照射による過敏性肺肉芽腫動態の変化は各時期での肉芽腫半径増大傾向に一致して肺抽出液中のIL-1活性の上昇を伴っていた. これらのことより放射線感受性細胞は, 肺局所でのIL-1産生能を介して肺肉芽腫の経時的動態に関与しているものと推測され, ヒト過敏性肺炎の慢性化, および線維化に興味ある示唆を与えてくれる.
  • 高石 雅敏, 定本 謙一郎, 高見 俊輔, 保澤 総一郎, 石岡 伸一, 山本戸 道郎
    1990 年 28 巻 2 号 p. 315-319
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    我々は呼吸器感染症において, 急性期と回復期との間で各種血清蛋白が変動するか否かを検討することを目的として, 22例の急性肺炎患者, 10例のマイコプラズマ肺炎患者および8例の慢性気管支炎の急性増悪の患者の急性期と回復期の血清中のα1アンチトリプシン, α1アシッドグリコプロテイン, セルロプラスミン, ハプトグロビン, α2HSグリコプロテイン, C3およびフィブロネクチンを測定した. 血清中のα1アンチトリプシン, α1アシッドグリコプロテイン, セルロプラスミン, ハプトグロビンおよびC3は回復期に比べて急性期では増加していた. 血清中のフィプロネクチンは回復期に比べて急性期ではむしろ減少していた. 血清中のα2HSグリコプロテインは急性期には回復期に比べて低下する症例が多かったが有意差は認められなかった.
  • 迎 寛, 岩本 雅典, 高瀬 登美子, 森 理比古, 石野 徹, 道津 安正, 河野 茂, 山口 恵三, 廣田 正毅, 原 耕平
    1990 年 28 巻 2 号 p. 320-329
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    当院では1986年に病棟の新築および増設を行ったが, そのころから Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) の分離頻度の増加を認めるようになった. そこで1985年から1988年までの4年間の当院における喀痰からのMRSAの分離状況と4年間のMRSAによる呼吸器感染症例13例の臨床像およびレントゲン所見を検討した. この4年間で喀痰より分離された Staphylococcus aureus に対するMRSAの分離頻度は0%から51.4%に増加した. 各種抗菌薬の感受性では Rifampicin (RFP), Vancomycin (VCM), Minocycline (MINO), Imipenem/cilastatin sodium (IPM/CS), Cloxacillin (MCIPC), Flomoxef sodium (FMOX) がぐ低い最小発育阻止濃度 (MIC) を示した. MRSAによる呼吸器感染症例は, 基礎疾患を有し, 寝たきり状態の老人病棟入院患者に多かった. また胸部レントゲン像は濃厚は浸潤影のパターンと空洞形成のパターンの二つの型に分けられ, これらが典型的な黄色ブドウ球菌性肺炎の像であると思われた.
  • 高木 洋, 秋山 裕由, 久保 裕一, 東田 有智, 山崎 公世, 中島 重徳
    1990 年 28 巻 2 号 p. 330-335
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    肺癌症例の増加に伴い気胸合併肺癌の報告も増加している. 気胸が先行した肺癌1例と化学療法中に発症した2例を経験した.
    症例1. 41歳, 男性. 痙攣と血痰を主訴に来院. 肺扁平上皮癌と診断され, CVM療法を施行. 経過中に気胸を発症. 34時間後に死亡. 症例2.76歳, 男性. 呼吸困難を主訴に来院. 過去に肺扁平上皮癌によりCVM療法をうけていた. 胸腔ドレナージにより軽快. 症例3. 54歳男性. 発熱と湿性咳嗽を主訴に来院. 4~5年前から血痰が見られ, 呼吸困難と発熱も出現してきた. 肺扁平上皮癌による閉塞性肺炎から肺化膿症になり, 気胸を発症. 右肺切除を行った. 気胸合併肺癌の報告例76例を示し, 発症のメカニズムについて考察した.
  • 青柴 和徹, 福田 いずみ, 望月 昌子, 玉置 淳, 金野 公郎, 滝沢 敬夫
    1990 年 28 巻 2 号 p. 336-343
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は26歳RA女性. シオゾール® 投与により gold lung を発症, ステロイドを投与したがX線上広汎な線維化陰影が残存した. gold lung の文献報告例をステロイド投与後のX線陰影の改善度から, group A: 陰影が消失またはほぼ消失したもの, group B: 広汎な線維化陰影が残存したものの2群に分けて検討した. 両群間で治療前の%VCやPaO2に有意差はなかったが, group B は Group A に比べて金投与総量が多く (p<0.05), 投与期間も長かった (p<0.01). この事から, 金による肺障害の結果生じる線維化が遷延する要因として, 発症した肺障害の重症度よりも, 発症前に肺胞マクロファージなどに蓄積された金量が重要であると考えられた. 両群間でステロイドの初期1日投与量に差はなかったが, 発症からステロイド開始までの期間は, group A は group B に比べて短く (p<0.05), 早期発見, 早期ステロイド開始の重要性が統計学的に示唆された.
  • 井上 博雅, 相澤 久道, 宮崎 直樹, 池田 東吾, 重松 信昭
    1990 年 28 巻 2 号 p. 344-349
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    気道攣縮反応における迷走神経の関与を, いわゆる“迷走神経反射”と気道局所での迷走神経の役割の2点に分けて検討した. 陽圧換気下のモルモットを用い, ヒスタミン (8μg/kg) 静注による気道攣縮を肺抵抗 (RL) の変化を指標として, 以下の条件で比較した. 1) 両側頚部迷走神経切断前後 (5例), 2) プロプラノロール (1mg/kg, iv) 投与+迷走神経切断前後 (5例), 3) ヘキサメトニウム (2mg/kg, iv) 投与前後 (5例), これらの測定終了後, 4) アトロピン (1mg/kg, iv) の効果を観察した. 迷走神経遮断により, ヒスタミンによる気道攣縮反応は有意に増強した. これは, 気道収縮性に働く“迷走神経反射”より, 抑制性に働く非アドレナリン作動性抑制神経の作用が大きいためと考えられた. 迷走神経遮断時に, アトロピンは気道攣縮反応を有意に減弱した. これより, 末梢の迷走神経のみでもヒスタミンに反応しアセチルコリンを放出することにより気道攣縮を増強していると考えられた.
  • 白峰 克彦, 山本 宏司, 牧村 士郎, 棟方 充, 神島 薫, 常田 育宏, 岸 不尽弥, 阿部 庄作, 川上 義和
    1990 年 28 巻 2 号 p. 350-355
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は34歳の小児喘息の既往のある女性で, 咳嗽及び喘鳴を主訴とし, 胸部レ線写真にて両側肺門部リンパ節腫脹の精査目的で, 入院となった. 病歴, 可逆的な気道の閉塞性障害及び中等度の気道の過敏性を認めたことから気管支喘息の増悪と考え, また, 胸部レ線写真所見及びTBLBによる病理所見より肺サルコイドーシス (サ症) と診断した. 退院後, 両側肺門リンパ節腫脹の軽快と共に喘鳴と喘息発作も軽快し気道過敏性も改善した. 近年, サ症における気道の過敏性についての報告がなされており, 本症例はサ症の発症が気道の過敏性を亢進させ, 緩解していた気管支喘息を再び発症させる一因となったと考えられた.
  • 千野 雅章, 八木 ひかる, 河野 純, 広瀬 芳樹, 福島 雅夫, 大久保 信一, 藤井 忠重, 小林 俊夫, 半田 健次郎, 草間 昌三
    1990 年 28 巻 2 号 p. 356-361
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    患者は41歳の男性. 口腔粘膜のアフタ性潰瘍, 外陰部潰瘍, 皮膚症状を有する不全型 Behçet 病患者で, 喀血, 咳嗽, 呼吸困難, 胸部異常陰影の出没を繰り返した. 肺動脈造影にて左肺動脈下行枝の閉塞とその中枢側の動脈瘤様拡張像がみられ, 右心カテーテル検査では, 肺動脈圧, 心拍出量等は正常であった. 経気管支肺生検では血管壁の肥厚, 血管周囲の単核球を主とする軽度の細胞浸潤, 新旧の出血, 一部胞隔の肥厚を認め, 肺動脈造影所見とあわせて, Behçet 病による肺病変と診断した. Prednisolone 30mg/day の投与を開始したところ, 諸症状および胸部異常陰影は著しく改善し, 現在経過観察中の1例を報告した. Behçet 病による肺病変は, 従来稀なものとされていたが, 大量喀血をきたし致死的原因となりうることから, 近年注目されており, その臨床的特徴, 病態, 治療について文献的考察を加えた.
  • 新実 彰男, 小林 秀机, 杉田 孝和, 南方 良章, 堀川 禎夫, 鈴木 雄二郎, 西山 秀樹, 前川 暢夫, 木下 達之, 綿谷 茂樹, ...
    1990 年 28 巻 2 号 p. 362-367
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    23歳男性が交通外傷による両下肢多発骨折で救急入院し, 直達牽引を施行したが, 第4病日強度の低酸素血症と胸部のびまん性陰影が出現した. 貧血, 血小板減少, 前胸部点状出血なども合併し鶴田らの診断基準を満たしたため, 脂肪塞栓症候群 (FES) を強く疑いメチルプレドニソロンの大量投与を開始した. しかし胸部レ線所見はさらに増悪した. 鑑別診断のため第7病日気管支鏡・気管支肺胞洗浄 (BAL) を施行した. 左上下葉支に血液が充満していたが気管支粘膜に明らかな出血源はなかった. BAL液は血性で, 有意な細菌は検出されず, その脂肪染色および鉄染色で数個の脂肪滴と無数のヘモジデリン貪食細胞が確認された. 肺胞腔内の脂肪滴の存在と肺胞内出血が間接的に証明され, FESと確定診断した. なおBAL液の細胞分画では著明な好中球増加 (36%) を認めた. 本例はFESのBAL所見を検討した初の報告例であるが, 本例の経験からBALはFESの有用な補助診断法と考えられる.
  • 刑部 義美, 田沢 節子, 兼坂 茂, 成原 健太郎, 高橋 愛樹
    1990 年 28 巻 2 号 p. 368-373
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    MRSAによる感染症は現在臨床上の大きな問題となっている. その理由として, (1) 重篤な基礎疾患を持つ患者 (compromised host), (2) 第2, 第3セフェム系抗生剤の汎用, (3) 本菌に単独で充分な抗菌力を持つ薬剤が少ない等である. 今回我々は, MRSAによる気管及び主気管支に病変が限局した4症例を経験した. 症例1,2,4は腹部手術後, 症例3は70~80%のII°~III°の熱傷. 何れの症例も経過中に人工呼吸器の気道内圧の上昇に伴い, 気管チューブより血性痰, 凝血塊を認めた. 気管支鏡所見では中枢気道系にのみ潰瘍, 出血, 壊死が存在していたが, 区域支以下には病変は認めなかった. 又病変部位の洗浄液の培養から全例MRSAが検出され, 特に症例3に於いては血液, 皮膚, 尿からもMRSAを認めた. MRSAは薬剤誘導耐性により細胞内に新しいペニシリン結合蛋白 (PBP-2') が出現する事から, 本疾患と何等かの関係が有るものと思われる.
  • 成島 道昭, 勝村 幸夫, 大塚 英彦, 清水 晋, 高木 啓, 秋澤 孝則, 田中 一正, 鈴木 一, 野口 英世, 鈴木 隆, 光谷 俊 ...
    1990 年 28 巻 2 号 p. 374-378
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は25歳, 男性で血痰, 胸部X線上異常陰影を指摘され入院した. 胸部X線上, 右肺門部に外側へ突出する腫瘤影を認め, 肺野にも多発性円形陰影をみた. 胸部CTでは前縦隔に7cm×6cmの bulky mass を認めた. 若年発症で進行が急速であること, 血液検査でLDH,β-HCGの高値を認めたことより, 絨毛癌を強く疑い, 確定診断のため傍胸骨切開下に生検を施行した. 得られた組織の大半は壊死組織で, HCG染色陽性の syncytiotrophoblast を認めたことより, 絨毛癌と診断した. 直ちに cisplatin を主体とする化学療法を開始したが, 一時的に陰影の軽快はみたが再悪化し, 約3ヵ月で死亡した. 剖検所見では精巣に痕等明らかな異常を認めず, 入院時縦隔・肺以外に異常所見をみないことから, 前縦隔原発と診断した男子性腺外原発絨毛癌は稀な疾患であり, その診断・経過観察上β-HCGが有用であった.
  • 伊藤 伸介, 島 浩一郎, 佐藤 浩一, 鈴木 雅之, 恒川 博, 鳥井 義夫, 千田 嘉博, 宮地 厚雄, 伊奈 康孝, 高田 勝利, 山 ...
    1990 年 28 巻 2 号 p. 379-385
    発行日: 1990/02/25
    公開日: 2010/02/23
    ジャーナル フリー
    症例は73歳女性, 咳嗽, 労作時息切れを主訴に来院した. 30年にわたる鳩飼育歴あり, 鳩血清に対する沈降抗体, リンパ球刺激試験陽性, 入院安静のみで軽減し Pigeon breeder's disease と診断した. TBLBにて異物反応を伴う間質性肺炎像と, 細気管支内への肉芽腫形成がみられた. 肺機能検査では拡散障害と small airway obstruction を, 胸部X線写真ではスリガラス様陰影, 小粒状線状網状影を認めた. 亜急性型であり, 高齢, 喫煙習慣の影響が考えられた. また禁煙後に症状の増悪がみられ, 禁煙により肺臓炎の悪化を来した可能性が考えられた. 鳩飼育者にみられる過敏性肺臓炎の報告は本邦では少なく, 本例は第5例目である.
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