日本看護研究学会雑誌
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17 巻, 2 号
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  • 泉 キヨ子, 平松 知子, 土屋 尚義, 金井 和子, 金川 克子
    1994 年 17 巻 2 号 p. 2_9-2_19
    発行日: 1994/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      人工股関節全置換術を受けた患者81名の日常生活の回復過程と生活の満足度について検討した。方法は日常生活関連動作11項目の回復過程を中心に,大学病院退院時,術後3,6,12ヵ月後に調査した。生活の満足度はModified Arthritis Impact Measurement Scaleを用いた。
    (1) 股関節に関連した日常生活関連動作11項目は,術後1年間には,ほぼ自立できるものが多かったが,バス乗降,しゃがみこみ,座っておじぎ,足指爪切りの自立得点が低かった。
    (2) 日常生活関連動作11項目の1年間にわたる回復過程は4グループに大別され,さらに術後3ヵ月までの回復状況が,その後の経過に特徴ある差を生じることが認められた。
    (3) 日常生活関連動作の回復過程は疾患別にも特徴的な差を示した。とくに変形性股関節症と慢性関節リウマチの差が大きかった。
    (4) 生活の満足度では,手術後は手術前に比し,痛み,ADL,身体活動,可動性などの改善のみならず,社会的役割や社会活動,不安,抑うつなどでも良好な反応がみられた。またこれらのすべての変数間に正の相関が示された。
    (5) 生活の満足度を高める要因として,1年後の日常生活関連動作総得点の高い者,年齢の若い者があげられた。一方,慢性関節リウマチ患者も示唆された。
  • 川口 孝泰, 阪口 禎男, 田尻 后子, 佐藤 永子, 渡辺 秀俊
    1994 年 17 巻 2 号 p. 2_21-2_29
    発行日: 1994/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      本研究は,大学病院に入院する患者328名を対象に,入院生活においてどのようなストレスに曝されているのかについて,38項目のストレス場面を設定し,各場面におけるストレスの程度に関する意識調査をおこなった。その結果,以下のようなことが明らかとなった。
    1) 「入院で家族や知人に迷惑をかけること」「重い病気かも知れないと思うこと」「手術や検査のことを考えると不安」などの項目で,ストレスの程度が高かった。
    2) 38項目について因子分析を行った結果,以下の8因子が抽出できた。
      第1因子:情報の欠如         第5因子:他者からの独立
      第2因子:家族への関心       第6因子:経済状況の不安
      第3因子:物理・化学的な環境    第7因子:医療者側への不満
      第4因子:同室者との関係      第8因子:基本的生活習慣の充足
    3)  さらに多次元尺度構成法によって,項目間の関係性を検討した結果,
     1. 病気との関わりをもった項目群
     2. 生活上の訴えを中心とした項目群
    の2つに大別できた。
    4) 因子分析の結果得られた8因子と,入院患者の属性との関係において,性別,年齢別,在院日数別などで有意な差がみられた。
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