日本看護研究学会雑誌
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8 巻, 1 号
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  • 福本 美鈴, 玄田 公子
    1985 年 8 巻 1 号 p. 1_83-1_88
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
    The present paper describes a method of learning by literature for terminal care.
    The learning was carried out to the first-year students who were in two-year college. The support will to patients with the terminal illness, the recognition of support, a behavioral tendency, evaluation for summary card of literature, and the results of the questionnaire were analyzed.
    The mean score of the support will after learning was higher than that before learning and t value of 6.05 with 38 df computed was significant at P<0.01. At the recognition of support and a behavioral tendency, students who showed an attitude for support and the will for physical care increased significantly when the learning was finished (attitude: x2=4.86, df=1, P<0.05; will: P=0.016*10-5, P<0.001). About 50 percents of students were not active toward the learning by literature. On the other hand, most students who got more than the average mark of evaluation for summary card of literature were active toward the learning (P=0.039, P<0.05). All students answered this learning by literature would be useful for the practice of terminal care.
    On the basis of the results obtained, a method of learning by literature for terminal care was discussed.
  • 山本 公子, 米内山 千賀子, 木村 紀美, 近藤 久美子, 野戸 結花, 福島 松郎
    1985 年 8 巻 1 号 p. 1_89-1_94
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     膀胱洗浄施行患者において,洗浄前後のカテーテル尿の細菌学的変化と,洗浄液の種類による差を調べ,膀胱洗浄の効果について検討を加えた。その結果,次のような結論を得た。
    1. 留置カテーテル尿中の細菌は,膀胱洗浄により有意に減少した。
    2. 留置カテーテル尿中からは,患者に十分量の抗生物質が全身性に与薬されているにもかかわらず,Pseudomonas aeruginosaやKlebsiella pneumoniae等が連続的に検出され,複合感染の難治性が問題になると考えられた。
    3. 膀胱洗浄液に抗生物質が混入されている群ではMorganellaやSerratia等は証明されなかったが,Pseudomonas aeruginosaやKlebsiella pneumoniae等は生理的食塩水のみの群と差はなく,総菌数の減少率においても差はみられなかった。
  • 後藤 千佳, 木村 紀美, 米内山 千賀子, 近藤 久美子, 福島 松郎
    1985 年 8 巻 1 号 p. 1_95-1_100
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     術後に発症する円形脱毛症,頭部の褥瘡(alopecia)については,全身麻酔後に認められる小合併症のひとつとして,1950年頃から注目され始めた。今回,術後のalopeciaの原因のひとつであろうと推察されている手術中の圧迫状態を,頭部の体圧の面から検討するため,それを測定した。その結果,次のような結論を得た。
    1. 5種類の枕のうち,後頭部の体圧を最も低下させたのは,弘大式麻酔枕で平均27.6mmHgとなった。
    2. 心・大血管手術群のうち5例に術後膨張がみられ,麻酔時間,人工心肺使用時間が長く,中枢温と末梢温の較差が大で,後頭部皮膚温も低かった。
    3. 理想的な枕のない現在,30分から2時間おきに,頭の位置を変えることが適当な処置と思われる。
  • 野島 良子
    1985 年 8 巻 1 号 p. 1_101-1_109
    発行日: 1985/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     統合された,全体的存在としての人間が,看護科学と看護実践の対象であるという認識において,看護理論家の考えは,現在,一致している。しかし,統合性,全体性の概念はきわめて曖昧である。Nightingaleは環境概念を重視したとはいえ,その人間像は心身の二元論を極力否定する立場であり,Hendersonにおいても,心と身の統一を強調する立場での,個人のレベルにおける統合と全体性の記述である。全体性の説明に環境との関連を導入したのはLevineである。Rogersは時間・空間概念を基本とした,四次元における新しいパターンの生成として,人間の統合性と全体性を強調したが,その説明は,かえって,人間を分子・原子レベルでの機械論的全体性へ還元させてしまっている。Rogersにおける機械的説明のもつ欠陥を補うために,NewmanはRogersにおける絶対時間のかわりに意識の時間を導入し,時間,空間,運動,意識の4概念をもちいて全体性を説明し,健康理論として構築している。著者は時間・空間を人間の存在様式とみなし,個人における統合性と全体性は,時間・空間を媒介とした個人と環境との相互限定的な統一作用,つまり,日常生活活動と,それの,今,ここで,の無限の生成と消滅の反復継続としての「生活の流れ」として現われるものと考え,それを4式の構造式に表した。
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