各種実験条件下の動物につき膣内注精を行い,これらの条件が精子の子宮内侵入度に及ぼす影響について検討すると共に,オキシトシンを用いての受胎試験を行つて受胎率に対するオキシトシンの効果を吟味した。
1.膣内注精に於いて精子の子宮内侵入度は,麻酔してオキシトシンを注射した動物で最も良好で,単に麻酔のみのものこれにつぎ,無麻酔でも腎上体別出に依りアドレナリン分泌を阻止したものはこれにほぼ匹敵する成績であつた。しかし,腎上体別出も行わず無麻酔下で注精したものは侵入度が最も悪く,殆んど子宮内に精子が侵入し得ないものと認められた。
2.受胎試験ではオキシトシン注射により可成り良好な受胎率が得られ,ラットの膣内注精に於いてもオキシトシンを投与して子宮運動を促進することにより受胎せしめ得るものと認められる。尚麻酔下動物では無麻酔下動物に比し少量のオキシトシン投与に依り良好な受胎率が得られた。

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ダイコクネズミ睾丸の酸素消費を幼若期より成長にしたがい測定した。基質としては焦性ブドウ酸ナトリウム及びコハク酸ナトリウムを用いた。尚マロン酸ナトリウムによる阻害の状態もあわせ測定した。一側の睾丸重量が200~300mgに達すると基質の利用状況に変化が起り,マロン酸ナトリウムの添加により酸素消費は約50%の阻害の起る事が観察され,生殖可能になつた時期から生殖機能の停止するまでの間ではコハク酸ナトリウムを利用する代謝経路を通つている事が推定された。

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エーテル麻酔下においた成熟ラットの副性器及び陰茎を囲繞せる筋群の運動をin situで観察した。その結果
(1)麻酔下に於ける正常動物では,各器官の律動的収縮運動が発現し,即ち精管の副睾丸尾部端部から内容を押し出す如く収縮し末梢端に伝播すると同時にglando fthe ductus deferenseの部分並びに前立腺が律動的に激しい収縮運動を発する(この間精管は3回内外収縮運動を発する),次いでこれに呼応して,直ちに陰茎を囲繞せる筋群並びに陰嚢の律動的運動がみられた。これら一連の運動に依つて陰茎先端に精液の滲出が認められた。この射精様運動は射精と同時に直ちに休止状態に入り,数分後に再び発現反復し,45分間の観察中前半に4回内外発現したが,25分以降は運動は現れず休止期のみが持続した。
(1)麻酔下に於ける正常動物では,各器官の律動的収縮運動が発現し,即ち精管の副睾丸尾部端部から内容を押し出す如く収縮し末梢端に伝播すると同時にglandof the ductus deferenseの部分並びに前立腺が律動的に激しい収縮運動を発する(この間精管は3回内外収縮運動を発する),次いでこれに呼応して,直ちに陰茎を囲繞せる筋群並びに陰嚢の律動的運動がみられた。これら一連の運動に依つて陰茎先端に精液の滲出が認められた。この射精様運動は射精と同時に直ちに休止状態に入り,数分後に再び発現反復し,45分間の観察中前半に4回内外発現したが,25分以降は運動は現れず休止期のみが持続した。
(2)去勢動物ではこの運動は正常動物と殆んど等しい型で明瞭に現れるのみならず正常動物よりも更に頻回に発現し,観察の後半に休止期のみが持続する様なことはなく,ほぼ一定の休止期をもつて反復した。
(3)去勢動物にandrogenを投与したものは射精様運動は発現し難くなり,現れても1~2回のみで正常動物に於けるものより更に減ずることが認められた。

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脊髄を種々の部位で切断或は破壊した場合,及び精管の種々の部位で切断した後の各副性器の射精様運動を観察しこの運動と脊髄射精中枢との関聯について検討した。その結果,
(1)正常動物では第8,9胸椎を切断しても射精様運動が発現し,第10胸椎以下腰椎の各椎切断或はこれらの脊柱管内を破壊したものでは運動は全く現れなかつた。
(2)去勢動物に於いても同様に第1腰椎以下腰仙部に至る脊柱管内の破壊に依り運動の発現は全く認められなかつた。
以上の知見から前報の正常及び去勢動物で認められた射精様運動は射精中枢の支配下にあり,その衝動に依つて起るものと考えられる。従つてラットでは去勢後も射精中枢の興奮性は或る程度保持されていることが認められ斯くてandrogenはこの射精中枢或は副性器官に,若しくはこれら両者に働いて射精運動の反射機構に抑制的作用を及ぼしているものと推定された。

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1)精管の副睾丸尾部端を切断しても精管は射精様運動を営むが,末梢端の切断では精管は運動せず他の副性器群にのみ射精様運動が認められた。
2)副睾丸に生理食塩液を注入して内容を増加せしめると射精様運動の発現回数を増加する傾向を又精嚢を剔出するとこの運動の回数の減ずることを認めた。
3)副睾丸尾部,前立腺,精嚢の各々に塩酸プロカイン液を注入することに依り射精様運動は減退するか或は全く休止することを知つた。
4.これらの知見及び前報の成績から,射精機構に於けるandrogenの生理的意義について考察した。

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It was suggested in our previous works that the silent heat in the cow would be due to deficiency of progesterone or unbalance between estrogen and progesterone levels at the estrous period. Application of synthetic estrogens, as hormonal treatment of the silent heat in the cow, has generally been put in practice in Japan. The purpose of this study is to examine whether progesterone alone or in combination with estrogen is effective on this hormonal disorder.
1. Treatment with progesterone alone.
Four cows diagnosed as to be silent heat by rectal palpation were used in this experiment. They were treated with single injection of progesterone from 5 to 10 mg at the proestrous priod respectively. Results obtained were variable as shown in Table 1. Within the limits of this experiment, it is supposed to be difficult to induce estrous signs on the silent heat cow by progesterone alone owing to conceivable varietes of the unbalance between estrogen and progesterone levels in individual animal.
2.Treatment with progesterone+estrogen.
Sixteen silent heat cows were treated with single injection of 10 mg of progesterone in combination with 5 mg of stilbestrol at the proestrous period. Marked estrous signs were induced from 1 to 5 days (mainly within 3 days) after the injection in 15 (93. 8%) of the treated animals as shown in Table 2. Ovulation took place spontaneously in all of the treated animals. All treated animals were inseminated at the induced estrous period and 10 animals (62. 5%) became pregnant. It was interesting that, in 4 of 5 animals which failed to conceive by the breeding at the induced estrus, marked estrous signs developed in the following estrous cycle without any treatment and pregnancy resulted in 3 of them.
3. Experiment on the ovariectomized cow.
Two ovariectomized cows were used in the estrus inducing experiment involuing injections with progesterone and stilbestrol, either alone or in combination. It was recognized, as shown in Fig. 1, that progesterone+estrogen was more effective to induce natural signs of estrus in the ovariectomized cow than estrogen alone. It was also observed histologically by the endometrial biopsy in one animal that estrous changes in the endometrium were induced more naturally by progesterone+estrogen than by estrogen alone.
It is concluded that the treatment with progesterone in combination with estrogen is more effective to induce estrous signs on the silent heat cow than with estrogen alone.

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