プロピレンオキシド(PO)合成を目的として,アセトアルデヒド(AcH)およびAcH-プロピレン(C
3')混合ガスの気相自動酸化を反応温度180~270℃,酸素不足使用の条件で検討した。
前者の反応においては,AcH+O
2→CH
3CO+・O
2H (1) が連鎖開始反応と考えられ,ついで過酢酸(PAA)が生成する。低温ほどPAAの選択率は高いが,高温になるとPAAは分解し,酢酸,炭酸ガス,メチルラジカル(CH
3・)が生成し,CH
3・からメタン,メタノール(MeOH)等が生成する。AcHの分解(CO,CH
4生成)は反応温度が高い場合顕著となり,この分解速度はO
2が存在しない時のAcHの分解速度よりはるかに速い。
AcH-C
3'系の酸化ではまずAcHとO
2の反応がおこるが,この反応速度はC
3'の共存により著しく小となり,C
3'がretarderとして働くことが認められた。POの生成はC
3'とCH
3CO
3・の反応およびC
3'とPAAとの反応により行なわれ,POの収率(対反応O
2基底)は原料中のC
3'/(C
3'+AcH)が大きいほど大である。
一酸化炭素,炭酸ガス,メタン,MeOHが生成するが,これらはAcHの反応により生成すると考えられる。
本反応はPOの合成目的には魅力的ではなかった。
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